年をとると性格がひねくれてきちゃうのか、いちいちつまらない理由を探すのが、ちょっと上手くなった気がします。
例えば・・・
年越しなんて今年が去年になるだけだし、初詣行かなくていいや。
とか
クリスマスの浮かれた気分はモノを売りたい業者の陰謀だから、おとなしく家で飲んでるのがイチバン。
などなど。
どこかで聞いたことあるような、つまらなさの定型文みたいな言葉の並びに、我ながら苦笑いを禁じ得ない。
中二かよw!って、いやいや中学生にも失礼だな。
そんなもんで、毎年、春にニュースを賑わす桜の開花情報も、やっぱりどこか冷めた目で見てしまう自分がいる・・・のだけれど、それは先日までの話。
今は違うと心から訴えたい!
真っ白い心で訴えたい!
このまえ行ったお花見キャンプで、のんびり桜と向き合っていたら、ささくれ立って薄汚れた気持ちがすっかりきれいに洗われましたよ。
純真な心が戻ってきましたw
薄紅に染まった風景を眺めながら(飲み過ぎない程度に)嗜むお酒は、これほど粋な文化なのだと、伝えていきたい所存です。
U・SO!
桜を愛でて、良い気分になったのはホント。
桜満開!裏磐梯でお花見ソロキャンプ
SNSはあまり好きではないけれど、写真メインのインスタグラムだけは、自分のキャンプの忘備録みたいな感じでけっこう長く続けています。
そのインスタをある日ボヤッと眺めていると、行きつけの『みちのくキャンプ場』の投稿が出てきた。
「場内の桜が見頃ですよ」、と。
普段ならピンクの花ごときに動かされる僕ではないのですが、最近キャンプ行ってないし、週末の用事もこんどで良いし、なによりお天気が快晴の予定。
「よし行くか!」
となりました。
テントからの景色は桜色
気持ち良く晴れ渡った空のむこうに残雪の磐梯山を望みながら、いやおうなしに視界の中へ映り込む、あでやかな桜。
「来てよかった~!」
と、さっそく桜への手のひら返し。
花見なんてどうでもよかった自分はすでに、過去のひと。
都合の良さは大人の特権。
だって、見上げてみればコレだもの。
見事に咲き誇っていました。
頭上に桜、前方にも桜という場所にテントを張って、ご満悦です。
つめたい風が強めに吹き抜けるけれど、今回はTC素材のティピーテントでお籠りキャンプだから大丈夫だいじょぶ。
TCとは
テトロン(ポリエステル)とコットンの混紡素材のこと。ポリコットンとも言う。結露しにくく遮光性があり、火の粉にも強い。けど重い。
中に入ってしまえば風は当たらないし、いつものドームテントと比べ天井も高い。
居住性いいなぁ。
チェアに腰掛け、開けた入り口から景色を望めば、満開の桜がお出迎え。
こんなの、否応なくテンション上がるに決まってんじゃん。
この秘密基地感は、ドームテントとはまた違う。
中に籠るのなら、コチラの方が快適だね。
TCもティピーテントも初めてだけど、みんな使うワケだと納得です。
重さはあるものの、車が近ければ問題ないし、こういうキャンプもアリだなぁ。
体験してみなければわからない、なんて当たり前のことさえも、ちょっと忘れていたみたい。
いつのまにか、自分の『好き』に固執していたようですよ。
年齢を重ねると、脳は経験に縛られがち。
でも、そんな経験なんぼのもんだと。
自身の歴史だから否定はしちゃいけないけれど、それほどたいしたモンでもない。
昨日の自分なんて、必要なら投げっぱなしジャーマン食らわすぐらいで、ちょうど良いのかもね。
怠惰の免罪符だ!
景色を堪能しているのか、それともぼーっとしているだけなのか。
どっちともつかない、けれどどっちでも良いような、キャンプ特有のそんな時間をすごしていたら、ふとお腹が空いているのに気が付いた。
おやつにしよう。
期限間近で値下げしていたアップルパイを、フライパンでちょっと熱してカリカリに。
美味し!
80円で買ったアップルパイが、ミ〇ドにも負けない美味さになった!
フッ素加工って、こういうチョットしたとき便利だよね。
剥がれて寿命がくるからと敬遠していたけれど、キャプテンスタッグのが安くて良さそうだから買ってみた。
まだ買って間もないからレビューはしませんが、ガス火なら普通に大丈夫。焚き火はさすがに無理だろな。
油や余熱なしでサッと使えるのは、やっぱり手軽でイイ!
だいぶ使ったのでレビューしました!
あとは本を読みながら、いつも通りのキャンプを満喫。
読み疲れたらフラッと徘徊して桜見て、テント戻っておやつ食らって本読んで。
本能のままダラけ倒す。
こんなにも時間を無為に使っているのに、びっくりするくらいの充足感。
「人間勤勉さがすべてじゃないよ」
って、どこかのありがたそうな神さまが、これまたありがたそうに仰ってくれているのだと思っておけば、怠惰の罪悪感も薄れてくってモンですよ。
ありがたやw
無為
1.何もしないでぶらぶらしていること。また、そのさま。
2.自然のままに任せて、手を加えないこと。
3.人為的につくられたものでないもの。
余裕っていいね
何度目かの徘徊を経て、日暮れの時間がやってきた。
何もせずとも腹は減るもので、それが生きているという証。
ありがたやw
外はあいかわらず風が強い。
テントの中でのんびり調理といこうじゃないか。
いつものドームテントだと、こういう時は小さな前室でチマチマやることになるんだけど、高さのあるティピーは余裕だ。
外を眺めながらゆったり。いいねぇ。
余裕すぎて、作りすぎちゃった。
マルタイ棒ラーメンと、冷凍チャーハン。
どっちも1人前。だから、あわせて2人前。
おおう、アラフィフの胃にはキツイな!
五臓六腑にガツンと響きそうなボリュームだ。
けれどペロリと食べれてしまうのは、キャンプあるあるというヤツです。
夢中で食べているうちに、テントを煽っていた強い風は、いつの間にか春のそよ風になっていました。
最高のピンクタイムでした
強風だった前日とは一変して、しずかな朝がやってきた。
引き続き、雲一つない良いお天気です。
世界がはじまる感じがする、と壮大な感想をぽつりと抱く、小市民なぼく。
酒でも残ってんのか?
とりあえず予報によると、この後また強い風が戻ってくるらしいので、とっととご飯を食べて撤収しよう。
いつもの安定、カレーメシ。
お湯を入れて待つこと3分。
朝特有のボヤッとした冴えない顔してる自覚はあるけど、心の中では満面の笑み。
この時間だって楽しみの一部ですから。
最後に、お世話になったテント傍の桜を見上げ、今回のお花見キャンプは終了です。
魅惑のピンクタイムは、また来年。
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