モンベル・フォームパッドはクローズドセルと呼ばれるタイプのスリーピングマットです。
すごく分かりやすく言うと、銀マットのとても良いヤツという認識でOK!
寝袋の下に敷いて使うことで、地面の硬さや冷たさから身体を守ってくれるアイテムになります。
クローズドセルマットはアウトドアメーカー各社から発売されており、中国メーカーも含めると本当にたくさんの種類が売られています。
その中でぼくが愛用しているのが、このモンベル・フォームパッド180。
キャンプでの出動率は8割くらいと、かなり出番の多いレギュラー装備。
今回は【モンベル・フォームパッド180】の使用感や感想、これを選んだ理由などをレビューします。
どうぞ最後までお付き合いくださいませっ!
クローズドセルマット【モンベル・フォームパッド180】
キャンプで気持ち良く眠れるかどうかは、非常に重要な問題です。
寝付けない夜の長さと気だるい明け方は、二日酔い並みに嫌っ!
せっかく解放感あふれる自然の中にいるのだから、すっきりした気持ちの良い朝を迎えたいじゃないですか。
キャンプでの快適な睡眠を得るには、寝袋はもちろんのこと、実はスリーピングマットがそれ以上に重要なのです。
地面ってのは思いのほか人間に優しくない存在で、平らに見えてけっこうボコボコしているし、冬の冷えた大地は容赦なく体温をグングン奪っていきます。
どんなに高性能な寝袋でも、スリーピングマット無しでは強大な自然に立ち向かうことはできません。
たとえガンダムと言えど、アムロが乗らなければザクにすらフルボッコされてしまうのと同じ理屈。
『力押しじゃ駄目なんです、力だけじゃ』と、当のアムロも言っていましたしね!
・・・脱線しました。
要するに、マットは超重要なアイテムなので『ちゃんと選びましょう』って話です。
そんなスリーピングマットですが、大きく3種類に分けられます。
- 浮き輪のように、空気のみで膨らませる『エアーマット』
- 中に入ったスポンジを空気で膨らませる『インフレータブルマット』
- 広げるだけで使える銀マットの進化版『クローズドセルマット』
【モンベル・フォームパッド180】は、この3種の中の『クローズドセルマット』に該当します。
クローズドセルマットの特徴は、
利点
- 価格が安い
- 空気抜けの心配がない
- 設営が楽(広げるだけ)
- 座布団にしたり汎用性がある
欠点
- あまり小さくならない
- クッション性はイマイチ
など。
断熱性や携帯性は他タイプに劣るものの、それを補ってあまりある利点が存在しており、広く使われているマットです。
モンベル・フォームパッド180 レビュー
スペック
【サイズ】: 長さ181×幅51×厚さ1.6cm
【収納サイズ】: 51×15×11cm
【重量】: 395g
【R値】: 1.5
モンベル・フォームパッドは、他社のモデルと比べると厚みが少し薄めです。
そのかわり収納サイズがコンパクトになっています。
R値は1.5。
R値とは断熱性を表す数値。高いほど断熱性能が優れています。
目安としては大体こんな感じ。
◆R値【0~2.0】夏向け
◆R値【2.0~4.0】3シーズン向け
◆R値【4.0~6.0】冬季向け
◆R値【6.0~】厳冬期向け
R値1.5だと夏用に分類されますが、寒暖の感じ方は個人差があるので、あくまで目安。
ぼく的には『夏寄りの春と秋』も含めた3シーズンという印象です。
長さは【90・120・150・180】の4種類あり、他社製より選べる自由度が高いのもうれしい特徴。
今回レビューするのは180cmのものになります。
使用感
薄めだけどクッション性は問題なく、サーマレスト等と比べても、『ものすごく違う』という程ではないです。
芝生のキャンプ場で使うなら、ほとんど気にならないレベル。
ただ、川原などゴツゴツした岩場での使用だと、快適性は若干落ちます。
耐寒性能に関しては、保温性を上げるアルミ蒸着はないけれど、上に乗るとじんわり暖かさを感じます。
個人差はありますが、僕は気温が10℃以上あれば眠れます。
10℃以下だと寒い。
氷点下になる真冬や雪上はさすがに無理。背中が冷たくなって、フォームパッド単体では眠れませんでした。
他社製品より薄いぶん、収納サイズがコンパクトです。
数値上は2~3cmの差なんですが、実物を比べると数字以上に小さく感じます。
モンベル・フォームパッドが優れているのは、この軽量コンパクトな点でしょう。
値段
モンベル・フォームパッド180の定価は5,940円。
クローズドセルマットの王者【サーマレスト・Zライトソル】や、現在注目の気鋭【ニーモ・スイッチバック】あたりと比べると、お手頃感がありますよね。
モンベルのコスパは流石です。
キャプテンスタッグ・EVAフォームマットとの比較
クローズドセルマットは安いモノなら1,000円台から手に入ります。
「それらと比べてどうなの?」というのは当然、気になるところだと思います。
ぼくは以前、キャプテンスタッグのEVAフォームマットという製品を使っていたことがあります。
それと比べた感想が以下。
まず、整地されたキャンプ場での使用なら違いはわかりません。(笑
厳密に言えば、キャプテンスタッグの方が若干やわらかい寝心地です。
でも、その程度の違い。
次に、小石交じりの地面など異物がある場面。
モンベルの方が背中に当たる異物感が薄く、小石などの突き上げ感をうまく吸収している感じです。
キャプテンスタッグだと、ちょっとダイレクト。
暖かさに関しては、正直どちらもたいして変わりません。
ぼくには差が感じられませんでした。厳密に検証すれば違うかもしれませんが、平地のキャンプ場で3シーズン使う程度なら大差ないです。
最後に耐久性
これは明らかに差があって、キャプテンスタッグの方がヘタるのが早かった。
モンベルはキャンプ時だけでなく、自宅でもよく使ってるので結構な使用頻度ですが、まだまだヘタる様子はありません。
一番、値段の違いを感じた部分です。
材質はどちらもポリエチレンですが、モンベルの方がより『中身が詰まってる』感があります。
キャプテンスタッグで感じた寝心地の柔らかさは、おそらくこの違いかと。
クローズドセルマットの価格差って、おそらくこのあたりの違いなんじゃないかなって気がします。
ただ誤解のないように言うと、これが同じ値段なら問題ですが、けっこう違うんだから差があって当たり前。
『とりあえず試したい』『ダメになったら買い替える』という用途なら安いものを。
『長く使いたい』『間違いない品質を』なら高価なものを選べばよいだけ。
事実、ぼくは子供用にキャプテンスタッグを購入したのですが、当の子供たちは数年でキャンプに来なくなってしまったので、「高価な道具をそろえなくて良かった」と思っています。
モンベル・フォームパッド180を選んだ理由
さて、ぼくがこの【モンベル・フォームパッド180】を選んだ理由は、携帯性を重視したからです。
エアマット【クライミット・イナーシャオゾン】と合わせて使うつもりだったので、よりコンパクトな製品を選んだ結果です。
あまり断熱性の高くないイナーシャオゾンの保温力と寝心地向上、それと万が一パンク時の保険を兼ねてフォームパッドを併用しています。
R値は足し算で増えていくので、重ねることでより暖かくなるのです。
エアーマットと一緒に使うなら、コンパクトなモンベル・フォームパッドはまさにベストな選択。
反対に単体で使う場合、少し大きく高価になってもサーマレストやニーモの方が良いと思います。
まとめ
スリーピングマットとして、座布団代わりとして、多様な使い方ができて壊れることもないクローズドセルマットは、ひとつ持っておいて損のない道具です。
各社からたくさんの種類が発売されており、自分の目的にあった製品を選びましょう。
『寝心地』や『ブランドの安心感』を求めるならサーマレストかニーモ。
性能面では頭一つリードしています。
『買い替え前提のコストパフォーマンス』や『とりあえずのお試し』ならキャプテンスタッグ。
安いけど、キャンプ場で3シーズンの使用なら全然問題ありませんよ。
ぼくはエアーマットとの併用が前提の使い方なので、『コンパクトである事』を最優先に【モンベル・フォームパッド180】を選びました。
こういった使用目的なら、ベストな選択だったと思っています。
もちろん単体でも快適に使えるマットですが、エアーマット等との組み合わせを考えている人にオススメしたい製品です。
スイスのアウトドアギアメーカー【Exped】のFlexMatのMサイズが、モンベル・フォームパッド180とほぼ同じスペックなうえ、重量約300gとさらに軽量で魅力的。
しかもオレンジ!
買い替えたいけど、フォームパッド壊れないんだよなぁ・・・。
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