5月末。
「キャンプにとっても興味がある。やってみたいんだ。」
そう話す友人とスタバでコーヒー飲みながら、初キャンプに向けた打合せをしてました。
何を揃えたらいいか分からないと言う。
初心者あるあるですな。微笑ましい悩みです。
それを受けてぼくは、
「とりあえず寝袋とクッカーだけ用意すれば、あとの道具は貸してあげるよ」
と、まずは手軽に体験できるプランを、やたら甘いドーナツ頬張りながら適当に提案。
友人はそれに
「いいね!」
と口をぱくぱくさせて即座に食いついた。
さらにそのままの勢いで、寝袋とクッカーをスマホでググってポチリと購入。
ぼくの適当な提案を、議論する間もなくスピード採決しやがりました。
嫌ね便利すぎる現代って。
そんなんで、いきなり決まった2人キャンプ。
そのあとお互いの都合をあわせ、行先を裏磐梯に決め、ご飯とおやつと酒の内容を確認。
一週間後に決定したその日に向けて、やつはウキウキとした背中で帰っていきました。
酒!肉!馬!な大人の休日デュオキャンプ
6月上旬。
キャンプ当日は、気持ちのよい晴れ模様。
場所は行きつけの『裏磐梯みちのくキャンプ場』にしました。
デュオキャンプなんてぼくも慣れていないので、少しでも勝手知ったるところのほうが良いかと考えた結果です。
なんてまぁ、けっきょく自分が来たかっただけなんだけどねw
みちのくの、広~い草原サイトに流れるのんびりとした牧歌的な空気感が好きなのだ。
前半は心地よさを
さて今回のキャンプサイト。
自分の寝床は一人用テント【REI/Passage1】。
頭上には大きめのタープをポール4本使って広く張り、そこを共有リビングとするレイアウト。
あたりの木陰とあわせれば、強い日射しの下でもじゅうぶんな快適スペースです。
友人は先ごろ買った寝袋とクッカーに加え、ワークマンでチェア・テーブル・焚き火台まで揃えていました。
ちょっとネットを覗けば目移りしてしまうほど沢山のギアがある中、今回はとりあえずコスパ優先で決めたそう。
なら、ワークマンで間違いない。
その友人用に準備したテントは、TCティピーのアースピノマッド。
さらにコットをIN。
前回のキャンプで僕自身が快適さに溺れかけた、魅惑の怠惰セットです。
それをヒンヤリとした木陰に設営。
夏を思わせる強い日射しをものともしない、心地よい空間ができました。
そこに、さっそく虜になってしまった友人。
すでに泥沼へ片足を突っ込んだとも気づかず、良い気なもんですw
前後を開け放ったテントの中は、涼やかな風が流れます。
遠方に目をやると、木々のあいだに、小さく磐梯山も見て取れる。
「これはいいね~」
と唸りながら、小一時間ほどゴロゴロと過ごしていました。
あまりにテントの中から動かないもんだから、「なにしてんの?」って聞けば、競馬。
おおう、大人の休日っぽいね!
当人は、ペンと紙がないことを痛恨の極みで悔いてましたが、スマホで存分に馬と戯れる様子はとても幸せそうでしたよw
午後には昼の酒を
空はもうどうしようもなく晴れていて、眺めてるといろんな感情が降ってくるけど、けっきょくそこから気持ち良さしか拾い上げられないほどの、最高に晴れ。
6月の日射しは強くとも柔らかく、夏みたいな激しさはありません。
風はほのかな冷たさを含んでいて、日陰でじっとしていると、Tシャツ1枚ではときおり肌寒さを感じるくらい。
それを、『シーブリーズで身体を洗った後のような爽快感』と表現してしまう、日々に薄汚れたアラフィフのおっさん2人。
シーブリーズよりも、はるかにスッキリ浄化されましたよ。
おやつを食べたり、ビールを飲んだり、仕事の愚痴を言いあったり。
デュオですごす時間の流れは、ソロのときよりはっきりと早い。
ぼくは積極的にだれかとキャンプすることはないけれど、『機会があれば断る理由もない』って思うくらいには、これはこれで楽しい。
モンブランのうずまきが、いつもよりグルングルンに見えて可笑しくなってしまうほど昼間から酔うなんて、ソロではまずないからね。
デュオも悪くないものです。
夜にかけて
夏至が近いせいもあり、いつまでたっても明るい空。
18時をまわったことに気づけたのは、転がっているビールの空き缶が妙に増えてきたから。
え!?もうこんなに飲んだの?→もうこんな時間か!という流れw
そろそろ夕食です。
初キャンプとなる友人は、どうやらいろいろと画策してきたらしく、クーラーボックスから多くの食材が出てきました。
これも初キャンプあるあるですね。そんなに食えねぇって。
焼き肉をするんだ!と意気込んでいたのは知っておりましたが、まさかイワタニの焼きまる君が登場するとは思いもしませんでしたよ。
『おいおい!』と突っ込もうかと思ったのも最初だけ。
これが意外なほど良い。
ある程度キャンプを嗜むようになってくると、「肉焼く?炭だろ!七輪で!」みたいな変なコダワリが出てくるもので、それがまだ選択肢の一つであるうちはいいんですが、コダワリが過ぎてそれ以外の方法を蔑ろにするようになると始末が悪い。
はい、なってました。反省。
方法は縦並びの順位ではなく、横並びの選択肢であるべきで、その1番には何を置いてもまず『楽しさ』を当てる。それがいい。
だって、遊びなんだから。
なんて事を、酒飲みすぎてグラグラしながら主張した、めんどくさいおっさんは僕です。
焼きまる君、ほんと良かったです。
楽だし旨く焼けるし、楽しいし。
他の料理や焚火に目を配る余裕もできるし、これは大正解でした。
焼き肉は焼きまる君にまかせ、焚火では別の料理が粛々と進行中。
肉を食らいながら出来上がりを見守っていましたが、ちょっと目を離した隙にアヒージョが炎上。
フランベになるという小さなハプニングはあったものの、些細なことは気にしちゃいけません。キャンプですから。
真っ黒になったニンニクの外側をちまちま剥いて食べるのも、それはそれで楽しいもんです。酔ってますから。
今回、友人が持ってきたワークマンの焚火台は、値下げになって、なんと1900円だったそう。
相変わらずの衝撃プライス。
全体的にしっかりしてるし、ゴトクで調理しながら薪も足せるし、とても使いやすい。
展開も簡単で収納もそこそこ小さい。
軽くはないけど、まぁ、UL系ギアではないからね。
『荷物は小さくまとめたい、けど重さはそれほど気にしない』っていうような、車やバイクでのコンパクトキャンプにはとても良いんじゃないだろうか。
この値段なら、ぼくもひとつ欲しいなって思いました。
小さな焚き火台と焼きまる君を中心に、すっかり盛り上がった中年2人。
友人は、はじめての焚き火にご満悦の様子でした。
朝がきて
翌朝。
彼は、氷が解け切ったマックのオレンジジュースみたいな顔して起きてきた。
ちゃんと寝れたのだろうか?
とりあえずコーヒー淹れて、2人で空を見上げていっぷく。
空色ってこういうのを言うんだろうなぁって感じの、お手本のような、ありふれた青空。
けれど、不思議と目が離せない。
「今日も良い天気だ」
どちらからともなく、言葉が漏れた。
まとめ
2日目は昼から用事があったので、とっととインスタントラーメン食べて、9時過ぎには解散となりました。
とても久しぶりのソロじゃないキャンプでしたが、気ままな一人とはまた違った良さがあるものです。
率直に楽しめた。
それは友人も同じなようで、後日、
「テントとタープ買った!」
と連絡があり、どうやらまんまと嵌ったみたいです。
けれど、その沼の深さには、まだまだ気づいていないよう。
しばらくは「気楽な趣味だよ!」ってなノリで、ちょっとずつ深みに引きずる所存ですw
おそらくまた近いうち、デュオキャンプの機会がやってくるはず。
その時が今から楽しみです。
今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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