繰り返し何度も使えるハクキンカイロ。
すごい熱量で使い捨てより断然あたたかく、それが長時間持続するという夢のようなギアです。
当然アウトドアとの相性は最高!
冬キャンプが大好きな自分的には欠かすことのできない、もはや神器。
そのハクキンカイロのなかで、もっとも大きなサイズが『ジャイアント』。
アマゾン等には売っていない公式ショップ限定の製品です。
このハクキンカイロジャイアントが冬キャンプに最適なのです。
- 表面積が大きいから温かく、かつ邪魔になるようなサイズでもない。
- 最大30時間もつので、1泊なら最初から最後まで暖かい。
と、凍える屋外において、世紀末救世主なみの頼もしさ。
まさに最強の携帯暖房と言えるギアです。
キャンプではハクキンカイロジャイアントが最強!
ハクキンカイロは【ミニ・スタンダード・ジャイアント】の全3サイズ。
種類 | サイズ(mm) | 最大使用時間(約) | 価格 |
---|---|---|---|
ミニ | 58×87×13.5 | 18時間(1.5カップ) | ¥4,257 |
スタンダード | 68×101×15 | 24時間(2カップ) | ¥4,752 |
ジャイアント | 70×110×20 | 30時間(4カップ) | ¥6,480 |
価格は公式ショップのもの(2024年12月現在)。アマゾン等のほうが安い場合もあります。
この3サイズの中で、ジャイアントがキャンプで最強!と言える理由はこちら。
ぼくは全サイズ使ったところ、上の理由からキャンプにはジャイアントが一番でした。
『大は小を兼ねる』って理屈なんですが、サイズ的に大きすぎるわけでもないので、ほぼメリットしかありません。
オートキャンプでもバックパックでも、ジャイアントさえ持っとけば間違いないです。
ただ、お値段が唯一の悩みどころ。
ですが大丈夫。一度買えばず~~~っと使えますから!
ジャイアントは公式サイト専売です。
ぼくは現在、スタンダードは手放して、ミニとジャイアントの2台体制です
ジャイアントはもっとも温かい
どのサイズも仕組みは一緒なので、温度は変わらないはず。
ですが、ジャイアントは表面積が大きいからなのか、もっとも温かく感じます。
当てた部位だけじゃなく、その周辺までぽかぽかしてくるほど。
他サイズとくらべ、パワフルに体を温めてくれます。
じっとしている時間の長いキャンプは、釣りと並んで、寒さに晒される宿命を持つ遊び。
より温かいのは大正義!
ジャイアントはもっとも長時間
最大30時間と、ジャイアントはもっとも長く連続使用が可能です。
1泊のキャンプなら、1回の注油で最初から最後までずっと温かいまま。
ミニやスタンダードだと、環境によってはキャンプ中で冷たくなってしまう場面もあったのですが、ジャイアントは大丈夫。
なんの心配もなく頼りにできます。
長く寒い夜、ぬくもりの喪失に怯えなくてすむのは、世紀末救世主なみの頼もしさ!
『寝ている途中で燃料切れ』なんて事態も、ジャイアントならありません。
大きすぎない絶妙サイズ
『ジャイアント』なんて名前だから、どれだけ大きいのかと思いがちですが、実はそれほどでもありません。
レギュラーサイズの使い捨てカイロより、一回り小さいほどです。
厚みこそありますが、それでも2cmなので、問題なくポケットに入るくらいのサイズ感。
取り回しで悩むことは、まずありませんよ。
それに、キャンプはそれほど動き回らないですからね。
『移動は常に全力疾走!』みたいなアグレッシブ系キャンパーでもない限り、決して邪魔にはなりませんよ。
ただ、カイロベルトは必須です。
ハクキンカイロの特徴
圧倒的な熱量
ハクキンカイロはとにかく温かく、その熱量は、じつに使い捨てカイロの約13倍。
さらに、気温が氷点下になっても変わらず高温を維持できます。
いっぽう使い捨てカイロは、氷点下の外気に触れていると発熱しなくなります。(ずっと服の中なら大丈夫)
実際、2月のキャンプで迎えた-18℃の朝、使い捨てカイロは冷たくなっていましたが、ハクキンカイロは変わらず熱々でした。
公式情報によると、-40℃以下でも使えるそうです。
どんな環境でも熱々。
この圧倒的なパワーが、寒いキャンプでは本当にありがたいのです。
まさに神!
持続時間が長い
ハクキンカイロは使用できる時間が長く、モデルによっては、キャンプ始めから終わりまでずっと温かいまま。
- ミニ : 18時間
- スタンダード : 24時間
- ジャイアント : 30時間
※火口の状態や環境により若干変わります。
使い捨てカイロの持続時間が12時間前後(製品による)だから、ハクキンカイロはより温かく長く使えるわけです。
冬キャンプだと昼間からずっと氷点下って日もありますから、日中・夜・翌朝と、1回で長く使えるのは本当にありがたい。
長時間に渡ってずっと温かいから「いつの間にか冷たくなってる!」なんて事態に絶望する夜も訪れません。
『どんな寒い日でもオレにまかせとけ!』って言われているみたいで、すごく頼りになります。
また、ベンジンの量で使用時間を調整できるのも、デイキャンプなどで無駄なく使える大きな利点。
燃料式で繰り返し使える
ハクキンカイロは燃料式。
使い捨てではなく、繰り返し何度も使えます。
使用する燃料はベンジン。
ベンジンは原油から作られる揮発性の高い可燃性の液体でガソリンの1種。主な用途はカイロの燃料、染み抜きなど。(染み抜き用のものはカイロには使用不可)
【NTベンジン】と【エビスベンジン】が公式に指定されています。
使える燃料は他にもありますが、とくに理由がない限り、これら公式を使うのが安心です。
ベンジン1本(500ml)で約480時間
ベンジンはネットショップの他、ホームセンターやドラッグストアで普通に売っています。
ぼくがよく使うNTベンジンは、容量500mlでお値段はだいたい700~800円。
ハクキンカイロは、このベンジン25ccで最大約24時間使えます。
500mlに換算すると、なんと480時間も使える計算です。
原理は酸化熱
ちなみに、暖かくなる原理は化学反応。
ベンジンの気化ガスと触媒のプラチナが接触しておこる『酸化熱』を利用しています。
けっして燃焼しているわけではないのです。
じつは使い捨てカイロも同じ酸化熱で、こちらは鉄と酸素の化学反応です。
素材こそ違いますがどちらも燃えているわけではなく、化学反応の熱で温かくなるという点で、じつは似たもの同士だったりします。
消耗品交換でずっと使える
火口と中綿は消耗品
ハクキンカイロは定期的なメンテナンスをすることで、ず~っと使っていける道具です。
具体的には消耗品の交換で、そのパーツは火口と中綿の2つ。
どちらもある程度使用すると性能が落ちてきます。
交換目安は
- 火口 : 1~2シーズン
- 中綿 : 5~10年(ベンジンがしみこまなくなった時)
となっています。
〇火口は、使用時間が短くなってきたと感じたら交換。
新しいモノを購入し付け替えるだけなので、簡単です。
火口のサイズは2種。スタンダードとミニは共通、ジャイアントは別です。
規格は初期型から変わっておらずずっと同じなので、どんなに古い型のハクキンカイロでも現役で使えますよ!
〇中綿は、最大容量のベンジンを入れ、逆さにして搾ったときにベンジンが出てくるようなら寿命。
指定以外の燃料を使っていると、この寿命が短くなるそうです。
中綿交換はメーカー依頼も可能で、公式オンラインショップに案内があります。(リンク先はハクキンカイロSTANDARDの中綿です)
欠点
キャンプで使う場合、人によってはデメリットとなる部分も多少あります。
- すこし臭いがする
- 手間がかかる
- 火を使う以上、完全に安全とはいいきれない
など。
臭い
臭いに関しては、かすかにガソリン臭がします。
普段は気になるほどではありませんが、寝袋の中に入れると分かりやすいです。
ちなみに、ぼくはまったく気になりません。
手間
使用前の注油も、使い捨てにはない手間。
でも慣れれば1分で終わりますし、たいした手間でもありません。
むしろギア感があって好きです。
アルストを好んで使うキャンパーなら、きっと理解できる感覚なはず(笑)
安全性
燃焼しているわけではない、とは言え、一瞬でも火を使うことに変わりはありません。
さらに、燃えやすいベンジンも使用しています。
ですので、横着せず、きっちり手順を守って使うのが肝心。
と、いくつか挙げてみましたが、正直、個人的にはどれもデメリットとは感じていません。
だって、完全に完璧な道具なんて存在しませんからね。
ハクキンカイロの使い方
『燃焼しているわけではない』とは言っても、燃えやすい液体と炎を使っていることに変わりはありません。
しっかりと手順を守るのが肝心です。
手順
1・火口を取り外す
火口の金属部分を持って、本体から取り外す。
プラチナ触媒には直接触れないよう注意
2・注油カップを使ってカイロにベンジンを注ぐ
カイロに注油カップの底部を挿入し、ベンジンをカップの線まで注ぐ。
注ぐ量は、使用したい時間によって調整してください。
カップ1杯で約12時間、2杯で約24時間使えます。
絶対に規定以上の量を入れないでください。
3・注油カップを回転させカイロにベンジンを注ぐ
注油カップを90度回転させると、ベンジンがカイロ内に注入されます。
4・本体を逆さまにして中央をかるく押す
注油カップを外し、カイロ本体を逆さまにする。
中央を軽く押して、余分なベンジンが出ないか確認する。
その際、カイロの外側にベンジンが付いていたら拭きとって下さい。
ベンジンの入れすぎは発火につながるので確実に確認しましょう。
5・火口をはめて、炎を上からプラチナ触媒に当てる
火口をはめカイロを立てて持ち、マッチかライターの炎を上から3~5秒プラチナ触媒に当てます。
燃焼させるわけではなく、化学反応が起こる温度まで温めるのが目的なので、炎を当てすぎないように。
カイロを逆さまにして点火すると、火口の痛みがはやくなります。
6・付属のフリース袋に入れて使う
表面温度は60℃くらいになります。
そのままではかなり熱いので、付属のフリース袋に入れて使います。
低温やけどに注意しましょう。
低温やけどは、44℃~50℃前後のものに皮膚が直接、数分~数時間にわたって触れ続けることで起こります。
血管を温めろ!
金属ボディのハクキンカイロは、柔らかな使い捨てカイロと違い『身体のあちこちに張り付ける』というワケにはいきません。
使い方としては、血管の多く通る場所に当て、温まった血液を体全体に循環させて暖を取ります。
具体的には
- 首のうしろ
- 丹田(お腹)
- 背中
- 腰
この辺りが効果的。
ぼくはいつも、背中(肩甲骨のあたり)にハクキンカイロを当てています。
そのためカイロベルトが必要になるので、別途購入するのがオススメです。
カイロベルトは必須
貼れないカイロを入れて体に固定するための道具、カイロベルト。
ハクキンを使うには必須となります。
ぼくが愛用しているのは『暖か朗Ⅱ』
これで肩甲骨のあいだを温めると効果抜群!凝りにも効果があって、気持ち良いですよ。
カイロベルトとしてはお値段高めですが、その分しっかりしていて使いやすい商品です。
他にはこちら
腹や背中を温めるなら、こういうベルトタイプを使います。
ただ、ベルト部分が細すぎて、使っているうちズレてくるのが欠点。
ベンジン以外の燃料について
ベンジン以外にも、Zippoオイルとホワイトガソリンが燃料として使用可能です。
公式HPや説明書には書かれていませんが、英語版HPに記載があります。
ハクキンカイロ(株)に問い合わせをしたところ、
- ハクキンカイロ指定ベンジンは輸出していないため、より成分の近いZippoオイルを勧めている
- Zippoオイルも入手できない場合は、ホワイトガソリンを使ってもらうよう案内している
とのことでした。
Zippoオイルとホワイトガソリンを使用することは確かに可能ですが、やはり【NTベンジン】か【エビスベンジン】を使うのがベストです。
ハクキンの魅力はコスパじゃない
先にも書いた通り、ハクキンカイロは燃料1本で480時間も使えます。
「なんてすごいの!」
と、本来なら大いに興奮し盛り上がるところですが、ちょっと待って。
じつは、使い捨てカイロとそんなに違わないんですよ。
たとえばこちら。
12時間つかえる使い捨てカイロ30枚。アマゾンだと1枚当たりの単価は21円。(執筆時)
これを480時間分にすると、840円。
対して、NTベンジン1本のお値段は、725円。(執筆時)
そう。
コスパという面では、使い捨てもハクキンもそれほどの差はないのです。
ぼくも計算してみて、ちょっと愕然としました。
なんてことだ。世界の隠された真実をまたひとつ、知ってしまった気分です。
しかし大丈夫。
キャンプにおけるハクキンカイロの『真の利点』はコスパではなく、
- 圧倒的な熱量
- 長時間温かい
- 繰り返し使える
の3点と、それらがもたらす道具としての愛着です。
ハクキンカイロは永久保証
ハクキンカイロは消耗品を交換していれば、それこそ半永久的に機能します。
永久保証もありますから、文字通り、ずっと使える道具です。
ハクキンカイロの永久保証
基本的にはハクキンカイロのフォルムを変えないというのは方針です。三角にしたり丸にしたりすることはありませんが、でも少しずつ変わっています。火口の部分はどれでもピシャっと合うように作っています。
私どもの商品は永久保証ですから、30~40年前のカイロを持って来られて「修理してください」と
ご依頼をいただくこともよくあります。一般的な会社の製品であれば古いモデルは「もう部品もありません」と言われて終わりですが、私どもは基本的には古い製品にも互換性を持たせるように製造しています。
だから、ハクキンカイロの一番の生命線の火口は1〜2年ごとに交換していただければ、もう半永久的に使用できる商品なのです。そういう面では、メンテナンスは徹底してると思います。50年以上も使った商品は、正直修理するよりも新しく買った方が安上がりなのですが、それをきれいにして、火のつくよう修理をする。
弊社の面倒見のよさを私たちのユーザーは知っておられます。おじいさん、おばあさんが使っていたとか、50年~60年使っている方もいらっしゃいます。こんなに長く使えるロングセラー製品は他にはないと自負しております。(HPより)
すごいですよね。
短いサイクルでの買い替えが当たり前になってきた今において、この企業姿勢は素直に尊敬します。
買い換えも否定はしませんが、個人的には『長く使っていける道具』が好きです。
そういう部分もハクキンカイロが好きな理由。
なので、ぼく的に思うハクキン最大のメリットは『愛着がわく』です。
レトロな金属製のボディは使いこむほど馴染んでいき、単なる道具ではなく、欠かすことのできない『ギア』となっていく。
お気に入りのランタンとか鉄フライパンみたいな、ず~っと使える相棒のような『キャンプギア』。
ハクキンカイロには、そういう魅力があるのです。
まとめ
販売元であるハクキンカイロ株式会社さんの姿勢もふくめ、ぼくはハクキンカイロが大好きです。
『ぼくの夢はハクキンカイロを国宝に指定することです!』と発表してしまいたくなるほど大好きなギアです。
凍える氷点下の1日。
肌冷えする早朝の、青白いブルーモーメントの中。
さまざまなシーンで頼りにしてきました。
もはやハクキンのない冬キャンプなど考えられません。
なかでも冬キャンプで使うなら、ジャイアントが間違いなく最強。
アマゾン等での扱いはなく公式ショップからしか買えないし、お値段も少々張りますが、ず~っと使えると思えば安いものですよ!
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