突然ですが、キャンプで聴くラジオって、なんだか風情がありませんか?
焚き火や夕食の準備をしながら、ときおりノイズの混じる音で懐かしい曲なんか流れると、何とも言えない気分になります。
わかるかな?
ぼくと同じようなオッサンなら、分かってくれるんじゃないかな?
タップひとつでキレイに入る、スマホのアプリでは味わえない。
これは多分、昭和世代の郷愁にも似た気分なのではないだろうか。
ELPA(朝日電器)AM/FM短波ラジオ【ER-C74T】を購入
今まで使っていたラジオは家の台所からの借り物だったので、自分専用が欲しくて新たに購入してしまいました。
安物ではありますが、短波放送も受信できるモデルです。
短波放送とは、主に短波帯と呼ばれる3,000~30,000kHzの周波数帯で放送されており、遠くまで電波が届くことから主に国際放送に使用されています。
上空70~500kmには電離層と呼ばれる一帯が地球を覆っており、短波放送の電波は、この電離層に反射して遠距離まで伝達されるようになっています。
短波ってのは要するに、すんごく遠くまで届くラジオチャンネルってこと。
理屈の上では街中だろうが山奥だろうが、どこに居ても受信できるわけです。
日本の短波放送にはラジオNIKKEIがあり、その他に外国の放送も聴くことが可能です。
子供のころ、家には親父のラジオがありました。
なんか、よく分からないスイッチがたくさん付いたやつ。
チューニングのツマミを回すと、ノイズの中に聞きなれない外国の言葉や音楽が流れてきて、宝探しのようにチャンネルを探るのが面白かったのを覚えています。
おぼろげな記憶ですが、いま思えば、あれは短波ラジオだったのでしょう。
そんな事をふと思い出し、ポチッとしたのがこいつです。
ELPA(朝日電器)AM/FM短波ラジオ【ER-C74T】!
【ER-C74T】スペックとレビュー
ホームセンターなどで手に入る安価なラジオですが、ELPAは朝日電器という名の、れっきとした日本のメーカー。
この【ER-C74T】はAM/FMのほか、短波放送も受信できるモデルです。
なんともノスタルジックな佇まいが気に入りました。
スペック
- 同調方式:デジタル同調
- 受信周波数: AM:522~1620kHz FM:76~108MHz SW(短波):3.70~22.05MHz(SW1~10放送バンド)
- スピーカー:直径50mm 丸型 8Ω
- 出力端子:φ3.5mmミニジャック
- 電源:DC3V 単三形乾電池×2本(別売)
- 外形寸法(約):幅123×高さ76×奥行31(mm)(最大値)
- 質量:約130g(ストラップ含、イヤホン・電池除く)
- 付属品:イヤホン、ストラップ
- 電池持続時間(JEITA)
スピーカー使用時: AM 約40時間 / FM 約40時間 / SW(短波) 約34時間
イヤホン使用時: AM 約80時間 / FM 約80時間 / SW(短波) 約68時間
大きさも重さも、一般的な携帯ラジオと変わりません。
コンパクトなサイズなので、キャンプに持ち出すにはピッタリです。
電源は単三電池が2本。充電池も使えました。
下部にはFM/AM/SW(短波)の切り替えスイッチと、同調ランプが付いています。
びっしり並んだ周波数が好奇心をくすぐる大きな窓。
いちおうデジタル同調だし、ランプもあるので聴きたい局に合わせるのは割と簡単です。
向かって左の側面には、ON/OFFスイッチと選局ダイヤルがあります。
この価格帯でON/OFFスイッチが独立しているのは嬉しい仕様。
選局ダイヤルはツマミです。
このツマミのタイプが良くてこれを選んだといっても過言ではない、お気に入りのポイント。
使いやすいし、見た目がなんか昔っぽくて好き。
向かって右側の側面には、ボリュームとイヤホンジャック。
イヤホンを使ってもステレオにはなりません。
背面にはアンテナと折りたためるスタンドが付いています。
スタンド部分に仕様がプリント。
下部には電池入れ。
スタンド使用時はけっこうな角度が付きます。
「傾きすぎじゃね?」と思ったけど、使ってみたら良い具合でした。
アンテナを伸ばしても安定感はバッチリです。
ローテーブルに目を落とすと、控えめに鎮座する小型ラジオ。
隠しきれないチープさと、取り残されたような前時代的な見た目がステキ。
褒めてますから!
キャンプで使ってみた
さっそくキャンプで使ってみました。
場所は裏磐梯、みちのくキャンプ場。
いつものラジオだと、AMは入るのですがFMは全然受信できない環境です。
結果は、とくに変わらず!
FMは相変わらず受信できませんでした。
カーラジオは入るので可能性はあると思うのですが、もっと価格の高い、高性能なラジオじゃないと厳しいのかも知れませんね。
肝心の短波の方は、選局ダイヤルをグリグリ回すと入る入る!
音声が聞こえる周波数をダイヤルを回しながら探っていくのは、さながら宝探しのよう。
子供の頃、親父のラジオでやったのはこれだ!
懐かしい。
チャンネルが合うと、ラジオから中国語やロシア語が流れてきます。
何言ってるか分からないのを、何ともなしに聞き流すのがいいんだよなぁ。
うん、楽しい!買ってよかった。
ラジオNIKKEIはあまり入らない
ところが、日本の短波ラジオ放送である『ラジオNIKKEI』が入らない。
まったくという訳ではないのですが、中国語やロシア語とくらべると、はるかに聞き取れません。
「ここ日本だよね?」と思わずにいられない。
ぼくも詳しい訳じゃないけれど、どうやら短波ラジオの受信感度ってのは、季節や天候など外的要因に左右されるらしい。
そのためラジオNIKKEIは、ひとつのチャンネルに複数の周波数を用意している。
- ラジオNIKKEI第1は終日6.055MHzで放送し、朝と夕方以降のみ3.925MHzで補強
- ラジオNIKKEI第2は朝から6.115MHzで放送し、19時以降は3.945MHzで代替
という具合。
ところが、である。
どれもイマイチ入らない。外国の放送はバッチリなのに・・・。
ちょっと残念だなぁ。
まとめ
ELPA AM/FM短波ラジオ【ER-C74T】は、他の同価格帯のラジオと変わらない性能はあるようです。
みちのくキャンプ場で入らなかったFMも、家の中ではバッチリ。
ラジオNIKKEIも庭では聴けたので、環境によるのかもしれません。
番組を聴くだけなら、今はスマホでradikoを使うのがもっとも確実です。
でもぼくがキャンプのラジオに求めるのは、雰囲気や趣きといった部分の楽しさなので、やはり単体で欲しいのです。
そういった意味で、【ER-C74T】はぴったりでした。
焚き火の傍らで、ときおりノイズの混じる音楽。
気の向いたとき、外国のよく分からない放送をさがす暇つぶし。
お高い高性能機を買うくらいなら『radiko』を使うけど、安いならこういう楽しみ方もアリ。
「わかるわかる!」と言ってくれる人には、ちょっとオススメできるかな。
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