暑さも一段落してきた9月上旬。
奥会津の沼沢湖へ、久しぶりのキャンプに行ってきました。
秋と呼ぶにはまだちょっと気の早い時期ではありますが、それでも8月と比べたらずっと過ごしやすい。
湖面を抜けて吹く風はほんのり冷たく、木陰にいれば日除けのタープもいりません。
外遊びには良い季節。
静かな湖畔でただただ本を読むだけの、のんびりとしたソロキャンプを満喫してきました。
毎年恒例・夏の終わりの沼沢湖畔ソロキャンプ
標高約470m。周囲を深い山に囲われたカルデラ湖のほとりにあるのが、沼沢湖畔キャンプ場。
8月下旬~9月上旬にかけてのこの時期は夏休みの賑わいも落ち着いて、人出の少ない平日ともなれば、どこか祭りの後のような、寂しさの余韻を感じさせる空気感。
頭上の枝葉を抜けてくる陽光もずいぶん優しくなって、真夏の突き刺さるような力強さはもう、ない。
かと言って秋と呼ぶにはまだ早く、盛夏に集まったエネルギーが依然そこかしこに留まっていて、日々少しづつ霧散していく。
そんな雰囲気が大好きで、気付けば毎年、夏の終わり頃に訪れています。
振り返ったら、去年も1日違いでキャンプしてたw
もはや恒例。
沼沢湖畔キャンプ場は、ぐるっと入り江に沿ってサイトが展開しています。
その入り江のちょうど中央付近が、湖を正面に望む好ポイント。
けれど、山から吹きおろし湖面を抜けてくる風を、モロに受ける場所でもある。
そのため両サイドにくらべると、強い空気の流れに悩まされることが多い。
この日、日中の気温は27度くらい。
空は見事に快晴で、豊富な木陰の下は極上のすごしやすさ。
まさに晩夏といった趣き。
そしてなにより、風がない。
時折ちょっと強めに吹き抜けるけど、木々の上のほうを揺らしこそすれ、テントサイトはそよ風程度。
絶好のコンディションです。
ここには何度か来ていますが、初めて中央付近をキャンプ地としました。
沼沢湖畔キャンプ場には一応オートサイトもあるけれど、湖を間近に望めるフリーサイトが絶対にオススメ。
ただ車は入ってこれないので、少しの距離だけど荷物を背負って歩くことになる。
なのでテントは、軽量で居住性の良いX-MID2Pを持ってきた。
開口部も大きいうえフルメッシュだから、湖正面のこの場所からは沼沢湖と背後の山々が『ドーーーン』と見える。
なんとも贅沢。
さっそく欲望のままに『プシュッ』っと一本いきたいところですが、ぼくは自制の効く大人(?)。
たのしみは夕方までとっておこう。
まずはアイスコーヒーで喉を潤したら、チョコと本を取り出して、いつものノンビリとした時間を楽しみます。
最高ーーーーー!
本当に必要なもの以外なにも持ってきていないけど、このシンプルさが心地良くて、どうやら僕には合っているみたいだ。
日々の暮らしからちょっと抜け出して、デトックスするみたいな感覚?
ここのところずっと持ってきている【星を継ぐもの】は、じつは中学1年になった息子くんから借りたもの。
SFの名作として名高い作品ですが、読んでみたら、なるほど確かにこりゃ面白い!
夢中になって没頭してしまう。
なのですぐに読み終わるかと思いきや、専門的な知識や言葉がたくさん出てきて、かみ砕くのに時間が掛かる。
物語の描写を頭の中にイメージしながら読み進めるぼくとしては、なかなか手ごわい小説だ。
けど、ほんと面白い。
しかし息子くん、中1の知識でよく読んだな、コレ。
読み疲れたら散歩をするのも、いつもの流れ。
湖畔のみちをフラッと。
本当にいいお天気で、
雲一つない空と
ときおり吹く風と
キラキラした湖面と
ブラブラ徘徊するおっさん(自分)。
いつものキャンプの、いつもの絵面。
とくに変わり映えしないけれど、やっぱりコレがいい。
売店でアイス買ってテントに戻りました。
夕食はいつものように鍋を食らう。
夕食の準備をしながらおつまみ食べて、ビール飲むのがキャンプ後半戦のたのしみ。
といっても、クッカーに全部ぶち込んで終わりだけどね。
ところが、なんと肉を忘れてきていた。
うわーーー、痛恨の極みだよ!
野菜鍋にキャベツのおつまみじゃ、完全にベジタブルメニューじゃねえか!
今から買いに行くにも、もうお酒を飲んでしまったし、仕方ない。
とりあえず散歩しよう。
クーラーバックの中のみならず、ザックをひっくり返して探してみたけど肉はない。
そうこうしてる間に日も暮れてきた。
この場所は、テントから見てちょうど正面、湖面の向こうに陽が沈む。
「肉?そんなのどうでもいいじゃないか」
と、この美しい景色を前にしたら、そう言わざるを得ない。
さらさらと微かに波打つ湖面から橙が姿を消し、濃い藍色が広がって、やがて黒に変わる。
時の移り変わる様は圧倒的だ。
肉のひとつやふたつ、じつに些細なことなのだ。
この風景と時間の中で、お気に入りの道具を使って好きなことをしている。
それこそが重要だ。
って自分を納得させようとしたけれど、やっぱり無理。
肉食いてぇよ!せっかくキャンプに来たんだもの。
でも無いモノは無い。
けれど、仕方なしに食べたベジタブルメニューは、思いのほか美味しかった。
すっかり満足。肉なくてもイケるじゃん。
考えてみたら、四捨五入すればもうアラフィフと呼ばれる世代。
これが年を取るということか・・・w
翌朝、テントを叩く雨の音で目が覚めた。
予報によれば午後から降るとのことだったけど、どうやら天気は早めに崩れてしまったようだ。
タープはないけれど、昨日は日除けになってくれた枝葉が、そのまま雨除けになってくれる。
この程度の降りならば、たいして問題はない。
とりあえず、思いつくまま傘をテントのポールに括りつけてみたら、なんだかイイ感じになりました。
これでテント前室の活動に雨の影響はない!
まぁ、「降るかも」とは思っていたからね。
濡れて色濃くなった湖畔の景色もまた素敵。
そんなに本格的には降らないはずだから、弱まったときを見計らって、サッと撤収しておしまいだ。
図らずも、ベジタブルメニューというあらたな境地を開拓した今回のキャンプ。
大変、満足いたしました。
コメント
コメント一覧 (2件)
shizuwaさん、こんにちは。
コロナの猛威により、夏山テン泊登山をあきらめることとなり、
しばし意気消沈していたさめじろうです。
しかし、やっと秋の気配が!
お休みしていたキャンプシーズン到来ですね。
先週の連休も、今週末の連休も、雨でキャンプの機会は失われますが、
来月から張り切っていきたいと思います!
sizuwaさんはさっそくお出かけになられたのですね。
とても気持ちのよさそうな場所。
平日のキャンプがいいですよね。
来月あたり、本格的に涼しくなって虫が減ったら(※かなり重要)
天気予報と子どもの塾予定と仕事の予定と睨めっこしながら
平日の休みをなんとかもぎ取りたい!
こちらは自制が効かない大人なので、
設営後すぐ昼から飲みます。笑
私も中3の息子から本を借りることがあります。
自分が選ばない本に出会う良い機会ですよね。
いつの間にかこんな本読むようになったのかと、成長を感じます。
子どもに対して、あれこれ求めてはいませんが、
こと、読書については、楽しめる人になってくれたら・・と思っていましたので
うれしく感じています。
ま、日ごろはスマホやゲームが多いですけどね。苦笑。
久しぶりで、つい長くなってすみません。
またちょくちょくお邪魔いたします!
さめじろうさん、こんにちは!
仕方のないこととはいえ、テン泊は残念でしたね。
そのぶん秋のキャンプを楽しみましょう!
9月に入って、デイも含めればすでに何回か行っているんですが、虫はすっかり少なくなりました。
朝晩は涼しいし、やっぱりこの時期は過ごしやすいです。
さらに平日なら人も居なくて、快適至極。
お休み、なんとか取れるといいですね!
子供の読書についてはホント、ぼくもそう思います。
日々忙しい中でも、本を楽しめる感性と余裕は持ってほしいなって。
思惑(?)通り、息子君はかなりの本好きになりました。
ただ、本当に大事な本は貸してくれないのが難点ですw