ちょっと趣向を変えまして、いつものキャンプとは少し違う小旅行をしてきました。
行先は隣接の山形県。
『歴史と文化の薫る港町』酒田市です。
観光メインで、美術館とか見て、漁港で海の幸を食べて、街をぶらぶらと散策する。
そんなお気楽な一人旅。
そして宿泊は、酒田港にほど近い立地の『SAKATANTO CONTAINER HOTEL「CAMPS」』ってところ。
名称にCAMPって入ってますがテント泊ではなく、なんと、貨物用コンテナを改造した宿泊施設!
そのコンセプトは『キャンプ以上ホテル未満』。
泊った感想は、“街中にあるキレイなバンガロー”という感じ。
そう、キャンプと言えなくもない!w
場所の良さも相まってこれがとっても面白く、また泊まりたいなって思える宿でした。
酒田市で気ままな一人旅を
4月下旬。
国道121号線を行き、喜多方の大峠へ。
そして米沢を抜け、山形自動車道に入り、高地を貫く月山道路をひた走る。
時期的には春だけど、道の外にはどっさりと雪が残っていました。
酒田市までは、約3時間半の道のりです。
と・お・い!w
【土門拳写真美術館】~加トちゃんがいるっ!?~
早朝に出た甲斐があり、酒田には午前9時ころ到着しました。
おかげで時間はたっぷりあるので、いろんなところを見て回れそう。
まず向かったのは、今回の主目的である『土門拳写真美術館』。
土門拳はぼくのいちばん好きな写真家で、ここは以前にも来たことがある。
今回は20年ぶりくらいの再訪です。
また来たいと思いながら、いつのまにかこんなに経ってしまった。

作品は、相変わらずのすごい迫力.。
気づけば、ずっと腕組みしながら難しい顔で見てる自分がいる。
身体の前で腕を組んでいないと、自分の中から何かを引っこ抜かれそうな、また、何か得体のしれないものが入ってきそうな、そんな気がして竦んでいるのだ。
やっぱりすごい。

やがて、ある作品の前で足が止まった。
これ、右端の仏像・・・、

『加トちゃんペッ』だ!!
加トちゃんペッしてるよねこれw
本家加藤茶とは表情も雰囲気もまるで違うのに、即座に連想させるほど恐ろしく完成度の高い加トちゃんペッだ!

いやまてよ。この作品、1975年とある。
とすると・・・
「こっちが本家かっ!そうなのかっ!?」
そんな衝撃の事実を勝手に妄想しながらじっくり鑑賞してました。
ドリフも土門も大好きです。
いつのまにか腕組みは解けていました。
【酒田市美術館】~おっさんでも可愛いには癒される~
続いて、近くの酒田市美術館へ。
駐車場から入口へ向かう階段に、散り際の桜がはらはら落ちる。

ちょうど『コンドウアキのおしごと展』がやっていて、「誰?」とおもったら、リラックマの人でした。
50歳のオッサンには予想外の展示内容でしたが、若い女の子の2人組が「かわいい~!」ってホワホワしながら見ている横で、狼狽えることなくちゃんと鑑賞してきましたよ。
『大人になってから見る絵本は刺さる』と、子育てで学びましたからね。
アンパンマンとか泣けてしまうw
リラックマもやはりブスリと心に刺さって、おみやげに一冊購入しました。
美術館から出たところでちょうどお昼時になったので、ご飯を食べに酒田港へ。
平日だってのに、けっこう観光客がいてびっくり。
どこのお店も氷の上にお魚がずらっと並んで、賑わっています。
ふわんと漂う潮の香りと混じり合う、市場特有の生臭さ。
山育ちのぼくは、これだけでテンション爆上がりですよ。

海を見ながらの海鮮丼、美味し!
【本間美術館】~低気密低断熱、でも素敵~
次は、本間美術館。
ここは展示内容よりも、庭園『鶴舞園』とその奥に建つ『清遠閣』が目的。
庭園はそれほど広くはないものの、池を中心に高低差に富んだ小道が巡っていて、上下左右どこを見ても良い雰囲気。

木々の緑の濃淡も、石畳も、苔むした東屋も、見事に調和してる。

この調和を創り出したのが、自然ではなく人の手なのだということに、あらためて驚きます。
人の感性ってすごい。
庭園の奥、池を望んで建っているのが本館の『清遠閣』。

豪商、本間家の別荘として建築されたそうで、まぁ立派なこと。

細部の細部まで作り込まれてて、欄間(らんま)や襖(ふすま)はもちろん、鉄くぎなんかにも拘りがあって、すんごい手が掛かってる。

どっしりと重厚なんだけど、不思議と落ち着きを覚えるような空間です。
古い木肌や土壁の色に、い草の香り。床のキィと軋む音。
日本建築って、なんか良いよね。
まぁ、じっさい住むとなったら現代の高気密高断熱住宅とくらべ、暑い寒い虫が出る!で大変なんだろうけど。

とにかく、素敵な建物でした。
【山居倉庫】~早朝など人のいない時間帯がおすすめ!~
お次は観光名所の『山居倉庫』へ。
シックな色合いとシンプルな造形の昔の倉庫が、ずらっと並んでる。
解説によると、米の保管に使われていたそうです。

観光名所ですが、この日は人もまばらで、しんと静か。

薄曇りの空も相まって、モノクロの世界に迷い込んだみたいだ。

そこかしこに侘しさが漂い、なんとなく感傷的になってしまう。
本来の役目を終え、あとは朽ちていくのを静かに待つ美しさ、みたいな雰囲気。
で、その空気感ごと大事に保存されてる感じ。
良い!こういうの大好物w

レビューに『早朝など人のいない時間帯がおすすめ』ってあったけど、ほんとその通り。
静かな環境で見ると最高!
後編へと続く
気づけば時刻は15時すぎ。
チェックインの時間になったので、観光は切り上げ、今回の宿『SAKATANTO CONTAINER HOTEL「CAMPS」』へ向かうことに。
こういう臨機応変のきく自由さが一人旅の魅力であり、醍醐味。
宿にしたって、本当は庄内空港ちかくの『庄内夕日の丘オートキャンプ場』に泊るつもりだったんです。
でも、たまたま見つけたこのコンテナホテルがとっても面白そうで、どうしても気になって仕方なくて、直前になってこちらに変更したのです。
その『SAKATANTO CONTAINER HOTEL「CAMPS」』の様子は、後編へと続きます。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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