夏の前の静けさの、沼沢湖畔キャンプ場

こだわりという訳ではないけれど、沼沢湖でキャンプをするのは、いつも夏の終わり頃だった。

夏休みも過ぎ、静けさを取り戻した湖畔に漂う祭りの後のような寂しさと、去りゆく夏の残り香がもたらす感情が、妙にスッキリして好きだから。

けれども別に、それ以外の時期に行っちゃいけないなんてマイルールは、当然ない。

良いところへは、いつ行ったって良いものさ。

うん・・・行くかっ!

というワケで、6月の2回目のソロキャンプは沼沢湖に決定しました。

この時期に行くのは初めてかも?

目次

6月下旬、沼沢湖畔でソロキャンプ

もう初夏と言ってなんら差支えのない暑さの続いた、6月も下旬に差し掛かったある日のこと。

沼沢湖畔キャンプ場で、ソロを堪能してきました。

気温はじゅうぶん高いけど湖水はちょっと冷たくて、泳げるようになるのは、まだほんの少しだけ先。

そんな時期的な微妙さもあったのか、泊りの客はぼくと、あと1組だけです。

静かにすごせそうで嬉しいなぁ。

お天気はもう、どうしようもなく見事に晴れ。

夏を思わせる日射しの強さ。

けれどもココ、沼沢湖畔キャンプ場は木陰が豊富だから、こんな日でもテントを張る場所には困らない。

湖面を抜けて吹く風はほんのり冷たく、汗ばんだ首筋を心地よく撫でる。

遠浅になっている入江の水ぎわは穏やかで、日帰りのファミリーが小さな子を連れてパシャパシャと遊んでいる。

その向こうにいるはずの泊りのもう1組は、木の陰になって、ぼくのところからはあまり見えない。

うん、絶好じゃね!?

これを絶好を言わないソロキャンパーなんているはずないっ!

そんな調子で始まった今回の湖畔キャンプ。

まぁ最高でしたよ!w

車横付けは不可、バックパックスタイルで

沼沢湖畔キャンプ場は、車の横づけは出来ないところ。

荷物運びも考えて、バックパックひとつで済むよう、テントもタープも小さいものを持ってきた。

REIのPassage1と、USTのタープ。

チェアはエーライト。

すべてアメリカのメーカーです。

だからでしょうか?

設営して全部ならべて見てみると、そこはかとなくアメリカ~ンな雰囲気が、

しないでもないw

日本やヨーロッパメーカーのギアと比べて、どこかお気楽で能天気なムードを纏っているような気がするのは、ぼくの勝手なイメージなのだろう。

なんせアメリカのアウトドアは、ボブ(仮)とマイケル(仮)とキャシー(仮)がBBQでデカい肉焼いて『ハッハー!』とか言ってるイメージだから。ぼくの中では。

偏見甚だしいのだろうけども、結局のとこ、そんなユルユルな雰囲気が大好きなのだ。

だからアメリカギアが好き。きっかけは偏見だけどもw

モノの少ない自分のキャンプは

「ストイックなスタイル良いですね」

なんて言ってもらえることもあるけれど、じつはストイックさには微塵も興味がなかったりします。

『面倒くさくないように』を求めていたらこうなっただけで、ほんとうはアバウトでユルユルなんですよw

夏日の木陰とシロツメクサ

昼も過ぎ、気温の上昇は最高潮。

ちょうど頭上まで来た太陽は、全くもって容赦がない。

そんな中、冷たい湖水にはしゃぐ子供たちの声もますます賑やかに。

楽しそうで、こちらも自然と嬉しくなる。

日向の暑さはけっこうなものになっていますが、木陰の多いテントサイトは問題なし。

木々が取りこぼした日射しはタープがしっかり受け止めて、ぼくの時間は快適な午後を迎えていました。

傍らには、いつものセット。

アイスコーヒーとおやつと、本。

これさえあれば素敵なソロキャンプ。

ちょっと目に疲れを覚えて活字から視線を外すと、足元に白い花が咲いているのに気付きました。

この花の名はシロツメクサ。

たぶん、だれでも一度は耳にしたことがあると思う。

けれどそれがこの花の名だとわかる人は意外と少ないし、ぼくもそう。

以前ある時ふと、よく見かけるけど気にかけたこともない、足元の小さな花の名が唐突に知りたくなりました。

それでキャンプに植物図鑑を持っていくようになったら、

「この花がそうだったのか」

って、名前だけは知っていた花の実物を知る機会が増えたこと増えたこと。

ナズナ・ドクダミ・ハルジオンなどなど。

逆に、よく見かけていたけど初めて名前を知った花もある。

ほんの断片的だった知識が意味を得たようで、けっこう楽しい。

きっかけとなったその『よく見かけるけど気にかけたこともない足元の小さな花』が、このシロツメクサ。

地味だけど、好きな花です。

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気分はすっかり夏キャンプ

サンダルでキャンプできるような季節が訪れると、どことなく気持ちも軽やかになり、いつもの散歩もよりいっそう真面目に徘徊してみたくなる。

なぜかなる。

ほんとうなら、しっかりしたブーツを履いていて汗もかかない涼しさの春秋キャンプのほうが、散歩には向いていそうなものだけどね。

「これって夏の解放感?」

と、そう解釈することにしましたよ。泳げもしないぼくだけど。

沼沢湖の周囲には遊歩道がぐるりと巡っていて、どうやら一周できるようです。

ぶらぶら・・・と気軽に行ける距離ではないから、歩いたことはないけどね。

こんなお天気の日なら歩くのもとても気持ちよさそうだけど、キャンプ中だから付近の徘徊だけで済ませようって、ちょっとヘタレて思いました。

ダラダラと15分ほど歩いて、

湖畔で10分ほどぼーっとして、

テントに戻って冷えたコーヒーをぐびっと煽り、

「あぁ良い運動した」

と満足感に浸る。

うん、今回もいいダラケっぷりだw

夕暮れの湖畔の美しさ

気が付いたら、となりには空き缶が2本。

夕食前だというのに、手には3本目が握られている。

「何事だこりゃあ!」

と、事件味たっぷりに驚いてみるものの、理由は明白。

シュワシュワなお酒がたまらなくおいしい季節になりましたね。

っていう自作自演w

酔っぱらいの戯言です。

いつのまにか日帰りのファミリーも姿を消して、夕暮れの湖畔はひっそりとしています。

徘徊のついでに集めておいた小枝をウッドストーブへ無造作に突っ込んで、飲みながらご飯つくろう。

手軽に、手軽に。

前面の窓から火のついたマッチを放り込めば、あとは勝手に燃え上がる。

ときどき火吹き棒で「ふうっ!」と空気を送り込んで、あらかた火が回ったら調理開始。

といっても、今回も煮るだけなんですけどね。

使っているクッカーは、少し前に購入したワークマンのグリルパン。

これがとっても使いやすい。

ちょうど一人用サイズの鉄鍋として、小さな焚火との相性は抜群です。

火からおろしても、しばらくは温かいのが鉄クッカーのよいところ。

暮れていく湖面を眺めながらのノンビリとした食事には、ぴったりのチョイスでした。

やがて太陽は山の稜線に差し掛かり、線香花火の最後のように、橙の光が輝きを強くする。

ひとことで表すならば、眩しい!w

一筋となった陽光は、その眩しさに反してあたりを照らす力を徐々に失い、風景の中に黒と橙のコントラストを鮮明に描き出す。

美しい。

しかし、これを安易に『美しい』としか表現し得ない自分をちょっと叱りたい。

持ってきた文庫本サイズの植物図鑑のカドに頭ぶつけて悶絶しやがれ!と叱りたい。

そんなことを考えていたら、無事、眠くなりました。

風がもどる瞬間に

いくら日中暑かったとはいえ、そこは6月の湖のほとり。

夜は寝袋で気持ちよく眠れる程度まで気温は下がったみたいだ。

そして朝になり太陽が顔を出したけど、空気はまだほのかに冷たい。

辺りはしんと静まり返っている。

昨日絶え間なく吹いていた風はもうなく、湖面はみじんも動かない。

鏡のようだ。

チェアに腰かけて、コーヒー用の湯を沸かす。

すこし薄雲が広がるものの、高く澄んだ空の色。

足先に出来た陽だまりにつま先を差し込むと、そこだけポカポカ暖かい。

突然、奥のほうの木々がザワッと揺れた。

それがウェーブみたいに近づいてきて、手前の木の葉が音を立てるとすぐ、ぼくの全身は湖畔らしい湿り気のある風に包まれた。

止まっていた時間が動き出したかのように、風が戻ってきた瞬間だった。

今日も暑くなりそうだ。

朝食は、昨夜に引き続きグリルパンで調理します。

パンとソーセージをかるく焼く。

この程度なら、油を引かなくとも大丈夫。

ほどよい焦げ目が香ばしい。

やっぱり使えるなぁ、このグリルパン。

なかなかに気に入りました。

朝食後、余計なものは片づけて、さっぱりとしたテント前で昨日の続きを少し読んだら、さあ撤収だ。

今回も、最高のソロキャンプになりました。

すべてに感謝!

まとめ

ここ数年は、9月頃に訪れていた沼沢湖畔キャンプ場。

今回、はじめて6月に行ってみました。

で、その違いにちょっと驚いた。

6月と9月。

どちらも気温や気候など、たいした差はないはずですが、その雰囲気はまるで別物。

9月は夏も終わり、蓄えていたエネルギーを使い果たし徐々に霧散していくような、どこかもの悲しげな雰囲気が漂っているのに対し、6月はまったくの逆。

これから来るべき賑わいに備え力を貯めているような、潜在的なエネルギッシュさを感じる空気感がありました。

個人的なイメージの違いにすぎないのかも知れません。

けれど今回、ぼくにはそれを肌で感じる面白いキャンプとなりました。

いや~、やっぱり普段と違うコトって大事ですね。

それと同時に、ルーティーンと化した習慣をぶち破る重要さを再認識した次第です。

たかが遊び。

されど遊び。

良い意味で、健全に遊び続けたい。そう思うキャンプでした。

まじめに締めて、なんかスミマセンw

 


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コメント

コメント一覧 (3件)

  • shizuwaさん、こんにちは。

    エーライトのチェア、久しぶりに拝見しました。
    ほんとうに素敵。

    shizuwaさんのブログで初めて見て、一目惚れ。
    しかし出会うのが遅かった。

    というわけで、sizuwaさん。
    いつまでも大切にしてくださいね。

  • 道具にも一期一会ってありますよね。
    エーライトはグランドトランクから復刻しましたけど、特徴的な蝶のマークがなくなってしまいました。
    あれが良かったのになぁ・・・。

    というワケで、大切にします!

  • え!復刻!?

    さっそく検索しましたが、好みではありませんでした。
    やっぱりsizuwaさんのが一番ですよ。

    というわけで、
    出番があればチェアだけでなく、私も喜びます。笑

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