10月中旬。
遅れ気味だった今年の紅葉も、ようやく、ぼくの住む辺りまで届き始めた頃。
栃木と福島の県境にある『ワイルドフィールズおじか』へソロキャンプに行ってきました。
3回目の訪問ですが、前2回はそれぞれ【区画サイトでのファミキャン】と【冬季の特別営業日】。
正規営業期間での純然たるソロキャンプは、じつは初めてです。
と言うのも、ココのフリーサイトは安いけれど実質区画になっていて、しかもお隣との垣根がないもんだからプライベート感が低め。孤独なぼっちキャンパーたる自分的には、もう少し距離とか目隠しがほしい。
いっぽう区画サイトはそれぞれ距離が離れ木立もあるので、プライベート感が高くてとても良い。ただ5000円とソロにはちょっと高すぎてそもそも候補にはならず。
そういう理由から、あまり足を運ぶ機会のなかったワイルドフィールズおじかですが、空いているときのフリーサイトなら話は別。
そう、平日ですよ。
今回、自分をふくめ客は2組だけという、ほぼ完ソロのような極上のぼっちキャンプになりました。
孤独最高w!
誰もいないフリーサイトで(ほぼ)完ソロキャンプ!
当日のお天気は晴れ。
雨の気配など微塵もない、見事な秋晴れの空。
そんな絶好のコンディションのもと、自分以外だれもいないフリーサイトに陣取りました。
もう1組は区画サイトなので、姿を見る機会はほぼありません。
完ソロみたいなものですよ♪
ワイルドフィールズおじかのフリーサイトは実質区画になっていて、NO9.10.11と別れています。
さらにそれぞれ、NO9と10が2つ、NO11が4つに分かれ、全8区画となっています。
間に境はあるものの目線を遮るものはなく、全体を通して見れば、かなり広いスペースです。
今回はこの広~いフリーサイトに、お客は自分ひとり。
前方にひらけた『いろいろ使える広場』はサイトじゃないので、もちろん誰もいません。
つまり、見渡す限り誰も居ません。
森と草原の、気持ちの良い空間が広がっているだけ。
なんですか、これ?
ぼっちのための孤独天国ですか?
あまりの心地よさに、設営中ずっと心の中の自分(1)が「A・O・ZO・RA!Whoooo!」とか「SO・GEN!Yeehaw!」とか叫んでて、そこに心の中の自分(2)が時折「ありィィがとぅ!」と合いの手を入れてました。心の中で。
お酒はまだ、飲んでいませんよ。
NEWギア【キャリーカート】が大活躍
車の乗り入れができないサイトへは、いつもならバックパック装備で臨みます。
だけど今回は、さらにキャリーカートも持ってきました。
その昔、子供の運動会用に買ったやつですが、小学校卒業とともに役目を終え、倉庫で眠っていたのをキャンプに使ってみたのです。
天板付きのボックスを積み、その上にお酒いっぱいのクーラーボックスを乗せ、コロコロと引いてサイトに向かったら、まぁなんと楽なこと!
荷物の減ったバックパックが軽い軽い。
ワイルドフィールズおじかにはリヤカーの貸し出しもあるんですが、そこまでは必要ないし、キャリーカートだと荷運び以外にも役に立つ。
設営後もテント横に置いて、小物を入れたりランタンを掛けたり、とにかく活躍してくれました。
これを何年も倉庫で眠らせておいた自分の目の節穴加減ったらもう、反省もんですよ。
快晴の秋キャンプが快適すぎて
1人用ドームテントと小さなウイングタープをササっと立ち上げて、クッカーや小物をボックスに放り込めば、快適なおひとりさまサイトの出来上がり。
アーリーチェックインをしてたので、設営が終わってもまだ午前中。
とりあえずチェアに座って空を仰いでボケっとしてたら、恐ろしいことにいつのまにかビールが1本空いていました。
最近のキャンプでは極々自然にあたりまえに、息を吸うような気軽さで、昼間のお酒を嗜むようになってしまいました。
誰だよ、アルコール3.5%の軽いビールなんて考えたの!
スイっと呑めて困っちゃうw
今回も昼食はパン。
キャンプ場に来る途中、会津田島駅前のパン屋さん『キチパン』に寄って買ってきました。
食べたのは、香ばしい『焼きもろこしパン』と、クリームチーズ&ガーリックバターソースが甘じょっぱい『マヌルパン』。
初めてのお店ってワクワクしますよね。うん、美味しい♪
つぎにワイルドフィールズおじかに来るときも、またここでお昼を買おう。
午後になっても、ずうっと秋晴れが続きます。
前回、9月末に行った裏磐梯よりよほど暖かい。
日陰にいても、長袖1枚でちょうどいいくらいです。
木々もまだまだ瑞々しい。
それでも、よく目を凝らせば季節の移ろいはそこかしこに見つけられて、やっぱり10月、秋なんだなぁって感じます。
羽音を聞いたとたん思わず「ファッキン!」と叫んでしまう蚊や、音もなく忍び寄ってきては僕の心臓をドッキンとさせてくる大きな毛虫も、もういません。
快晴の秋キャンプは実に快適です。
おじか池のまわりも良い散歩コース。
桟橋から水面を覗いてみると、大小の魚がスイスイ泳いでいました。
水際では透明なヌマエビがせわしなく動き回っています。
どちらも種類は分かりませんが、そんな姿を見ていると、なんだか気分がほんわかしてくる。
水に住むいきものの流線形のかたちや滑かな動きって、なんか好き。
まぁ、当の本人(?)たちはこれから冬を迎えるために、ほんわかどころじゃないんでしょうけどね。
驚かしてごめんよ。
静かなソロにはアルストを
この頃すっかり気に入って、完全にレギュラーギアとなったトランギアのアルコールバーナー。
もちろん、持ってきています。
とくに今回みたいな、自分以外に人もいなくて、幹線道路からも遠く離れて、人工の音がほどんどないようなキャンプでは、アルストの静かさがほんと良い。
その静かさがもたらす自然との一体感で、なにやら素晴らしい一句が詠めそうな気さえしてきます。
でも実際は、「静けさや~」って、偉大な歌人の一文が浮かんできただけ。
しかも蝉なんか見当たりません。
詠めそうな気は、どうやら錯覚だったようです。
代わりに、丸っこくて大きなカメムシがこれまた大きな羽音を立てて、時折ぼくのフリースに突撃して来るのにはちょっと参った。
カメムシフェロモンなんて出した覚えはないんですが?
ぼくが呼んだわけではないと思いたい。
寒くなり始めは油断しがち
ランタンのスイッチを入れる頃には、秋らしい気温になっていました。
ずいぶんと肌寒い。けれど酒は呑む。
でも、夏と同じ調子で保冷剤を詰め込んできたのはやりすぎだったみたい。
クーラーボックスから出したビールは冷えすぎてて、コップに注いだ瞬間にシャーベットへ変わってしまった。
おおっ!過冷却ってやつですね。まるで理科の実験みたい。
けど、
「おもしろいな~」
なんて感心してる場合じゃないよ。
こうなってしまうと、冷えすぎて風味は飛ぶしシュワシュワ感は消えるしで、ちっとも美味しくない。
ただの苦くて黄色いシャリシャリです。
ビール1本無駄にしてしまいました。
いちおう薪は持ってきてるけど、ここまで運ぶのも面倒だから、今回も焚き火はなしで。
いろいろ面倒と感じることが増えたのは、慣れたせいか飽きたせいか、それとも年齢のせいなのか。
よく分からないけども、今のところアルストの炎で満足できているので、良しとしよう。
この小さく揺れる炎を見ているのが、けっこう楽しいのです。
キレイに晴れているからか、気温は昼間の暖かさから一変。
夜になってグッと寒くなってきました。
星空を眺めていると、ブルッと震えがくる。
服を通して冷気がしみてきます。
ひざ掛けでも持ってくるんだったなぁ。
寒暖差の大きいこの時期のキャンプは、油断しがちですね。
それでも、シュラフカバーは忘れなくて良かった。
真冬用の寝袋を出すにはまだ少し早いかなって時期の寒さ対策に、こいつはけっこう役に立つ。
平日のワイルドフィールズおじか、最高!
朝は深い霧がでてきました。
周囲はあいかわらず静まり返っていて、音がない。
その雰囲気を壊さぬよう、静寂の中へ慎重に踏み込んで、おじか池までちょっと散歩。
ゆっくりゆっくり少しずつ形を変える靄がなければ、時間が止まっているんじゃないか?って感じるくらい、静かな朝。
ぼうっとするのが大好きなぼくにとって、至福の時間。
存分に味わいます。
本当に良い環境のキャンプ場だなぁ。
日が昇るにつれて霧もはれ、10月とは思えない暖かさも戻ってきました。
朝露に濡れ、しっとりとしていたタープも、すっかりカラカラに乾きました。
帰りに晴れてくれると気持ちも良いし、道具も乾いて最高です。
軽い朝食をとったあと、陽をいっぱいに浴びて心の充電も完了!
平日のワイルドフィールズおじか、最高でした。
さぁ、つぎに来るときは雪中だ!
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