買ってはみたものの、結局使わなくなってしまう道具ってありますよね。
お蔵入りってやつです。
ぼくにとって、アルコールストーブ(バーナー)もそのひとつ。
4~5回は使ったと思うけど、その後出番は無くなってしまいました。
その理由は、結局ガスのほうが便利なのと、極低温下では火力が足りなくて役に立たなかったから。
それと、風防や五徳を合わせると、思ったほどコンパクトじゃないし。
たしかに魅力的な部分もたくさんあります。
でも、自分のスタイルには合わなかったみたい。
そこで今回は、アルコールストーブを検討している人やガスと迷っている人へ、ぼくのお蔵入り理由をご紹介します。
アルコールストーブのメリット・デメリット
アルコールストーブとはその名の通り、アルコールを燃料とするアウトドア用の火器です。
アルコールバーナーと呼ぶメーカーもありますが、基本的には同じ仕組みの道具。
略して通称『アルスト』という名称がよく使われています。
アウトドア用の火器には、ガスやガソリンを燃料とするバーナーもあります。
現在、もっともよく使われているのは、ガスバーナー。
そのガスバーナーと比べたときの、アルコールストーブの大まかな特徴は
メリット | デメリット |
軽量コンパクト | 火力が弱い |
燃料入手が簡単 | 風に弱い |
静か | 単体で使えない |
やさしい炎に癒される | 火力調整がしにくい |
シンプルで壊れない | 屋内で使えない |
といったトコロでしょうか。
アルコールストーブはロマン枠
使い勝手に限って言えば、正直、アルコールストーブは他の火器にくらべ少し劣ります。
ガスの便利さに慣れちゃうともう、ね。
でもいっぽう、情緒的な面で見てみると、他の火器の追従を許さないほど魅力的なのも事実。
使っていて趣きがあるのです。
言うなれば、アルコールストーブは性能以外の部分に魅力を見出す、いわば『ロマン枠』としての側面が大きな道具です。
そしてぼくがアルストを使わなくなった理由は、まさにそこ。
ひとことで言うと【便利>ロマン】の図式。
キャンプ中、頻繁に使う道具ですから、ロマンよりも便利さが勝ってしまったというわけです。
ぼくが持っているのは、もっともオーソドックスで有名な製品、トランギアのTR-B25アルコールバーナー。
買ってはみたものの、4~5回で使わなくなり、結局お蔵入りしてしまいました。
アルコールストーブを使わなくなった理由4つ
理由その1:面倒
『不便を楽しむ』キャンプで面倒なんて、身も蓋もない理由なんですが・・・。
ぼくは基本、キャンプでの食事は焚き火でつくるから、火器はサブ的な位置づけです。
その役割は8割がコーヒーの湯沸かしや温めなおし、残り2割が朝食。
ソロなので沸かす量は少なく、1回につき150~200mlくらいです。
ただ、コーヒー好きだから回数は多い。
つまり『少量のお湯を頻繁に沸かす』という使い方です。
これだと、いちいち『アルコールを注いで火をつける』動作がだんだん面倒になってきて、結局はワンタッチで簡単なガスに軍配があがりました。
設営を終えた最初の1杯をアルコールストーブで淹れるのは、最高なんですけどねぇ。
理由その2:そこまでコンパクトじゃない
いやね、誤解のないように言うと、アルコールストーブは間違いなくガスやガソリンよりコンパクトです。
でも単体では使えず、風防や五徳は必須。
燃料容器だって要ります。
それらを合わせてしまうと、ガスの利便性をひっくり返せるほどの差じゃないんですよね。
110サイズのOD缶ガス&バーナーなら、【アルスト+五徳+風防+燃料】とそれほど違いがありません。
それに、ぼくはバックパックでキャンプをするとは言え、移動自体は車。
そこまで軽量化にこだわっていないというのも理由です。
理由その3:屋内で使えない
屋内とは言っても、テントの前室での話です。
アルコーブストーブは、ガスに比べ炎のコントロールがききません。
そういう『おおらかな部分も含めて楽しむ道具』なので、けっして欠点ではないのですが、不便に感じることはあります。
例えば予想外に天気が荒れて、焚き火調理のできない時。
そんな場合はテントの前室で調理するのですが、細かな調整の出来ないアルコールストーブは怖いです。
てか、ぼくは無理。
火力の弱いイメージがあるかもしれませんが、結構大きな炎がでますよ。
『万が一ひっくり返したら・・・』とか考えると、やっぱり外でしか使えない。
それと、アルコール燃料は気化ガスがけっこうヤバいです。
くれぐれも、狭い空間で使っちゃいけません。
理由その4:極低温化で使えない
『アルコールストーブは寒さに強い』とよく聞きます。
氷点下でも問題なく着火できるって。
あれって個人的には、半分正解で半分間違いだと思ってます。
たしかに着火はできるんですよ。
だけど低温下では火力が足りません。
10℃以下になるとはっきり実感できるほどです。
さらに風があったりすると、絶望的に力不足です。
ただ、それも解決方法はありまして、囲うタイプの風防&五徳を使えば大丈夫。
熱がこもって火力がブーストされるので、問題ない火力がでますよ!
・・・と、ここまでは、あくまで0℃~マイナス5℃くらいの話。
ここからが本当の問題点。
ぼくの冬キャンプのフィールドは、マイナス10℃以下になることも珍しくない極低温下の雪原です。
そのくらい冷えると、アルコールストーブでは何したって火力不足なのです。
着火は出来ても、お湯なんて永遠に沸かないんですよ・・・。
なので使わなくなりました。
ただ、トランギアのストームクッカーは別かも知れません。
持ってないから確かなことは言えませんが、調べてみると、あれなら大丈夫そう。
なんせ極低温の本場、北欧産まれですからね。
ちなみに「ガスは寒さに弱い」というのは、気温に応じた適切な器具を選べていないだけです。
極低温用のOD缶ガス+高火力バーナーなら、マイナス10℃でも一発点火。
お湯だってすぐ沸く火力ですよ。
結果:OD缶ガスを使う
ということで、ぼくはOD缶のガス火器をメインで使っています。
完全にロマンより利便性を取ったカタチです。
たしかにアルコールストーブには風情があるんですけど、コーヒー1杯淹れるごとに、いちいち感じなくてもいいかなって。
まあ、それ言っちゃぁ身も蓋もないんですけどね。
まとめ
ここまで書いといてなんですが、道具の『合う合わない』って、すごく感覚的なものだと思っています。
道具自体の出来や良し悪しとは関係なく。
で、その感覚的なものって、スペックやレビューでは分かりません。
だから道具選びって難しい。
自分のキャンプは冬など寒い時期がメインなので、どうしてもガスに軍配があがってしまいました。
ただ、今は『合わない』と感じていても、後々スタイルや好みが変わって『すごく合う』になるかもしれないし、逆も又しかり。
それも、道具選びの楽しさではないでしょうか?
とにかく『気になるなら使ってみる』
結局これしかない!
ホント身も蓋もない終わり方でスミマセン。
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