孤独好きにはたまらない 猪苗代湖畔でひっそりと野営ソロキャンプ

ぼくが猪苗代湖に望むものは、『静寂』『侘しさ』『ひっそりと』『静かな波の音』・・・。

無愛想で冷淡な態度なんだけど、素知らぬ顔でそこに居てくれる湖の、寄り添い過ぎない心地良さ。

そしてそこで過ごす一人のキャンプは、起承転結のない淡々と流れる物語。

見終わった後すごく元気になるわけでも、前向きになるわけでもない。けどちょっとだけ気持ちが軽くなる。

そんな映画を見る気分。

ちょうど『バグダッド・カフェ』みたいな感じ?

知らない人にはまったく伝わらなくて申し訳ないけれど。

すっごく抽象的で分かりづらいことこの上ないが、ぼくが猪苗代湖でソロキャンプするときはそんな気分だし、それを期待して出かけて行く。

けれど吹き付ける強風で、気分も期待もマルッと吹き飛ばされちゃうときも多いのが猪苗代湖。

しかしこの日、天気はとても穏やかで、初秋の平日は人もいない。

望むがままの、湖畔ソロキャンプとなりました。

目次

完ソロ野営!バックパックで行く猪苗代湖ソロキャンプ

目印としているレンガ色の建造物脇に車を停め、開けたトランクに腰掛けながらバックパックを背負う。

目の前の、まだ鬱蒼とした防風林の一角にぽっかりと口をあけた、湖へ続く道の入り口。

この先がいつもの場所だ。

さあ行こう。

9月のなかば、植物たちはまだまだ旺盛。

ここを少しばかり歩いて抜ければ、『天鏡湖』とも呼ばれる美しい湖面が、空を写して佇んでいる。

ほらね。

夏休み中はつねに騒がしく近寄りたくない場所だけど、9月の平日ともなれば静寂そのもの。

めずらしく風もない。

こういう時の猪苗代湖は最高だ。

ここをキャンプ地とするッ!

思わず、声に出た。

防風林と砂浜の境あたりには、小さなテントを張れるくらいのスペースが点在している。

ここはキャンプ場というワケではなく、キャンプも可能な浜ってだけなので、地面は傾きがあったり根が伸びていたり。

整地された快適さはないかわり、自分好みの場所を見つける面白さがある。

湖面を眺められるよう出来るだけ前面が開いていて、かつ周りは適度に囲まれた木々の中にテントを張った。

砂浜の広がる前方以外は鬱蒼としているけれど、9月も半ばだからか思いのほか虫は少ない。

蚊取り線香は1巻き使えばもう十分。

地面には少しのアリとオサムシ程度。

う~ん快適。

ザトウムシがワリといるけれど、嫌いじゃないので全然いい。

長い脚を滑らかに動かす様は、眺めているとけっこう楽しいかわいいヤツら。

群れてると引くくらい気持ち悪いけどね。

ザトウムシは一般的にはキモい部類の虫なので、検索するときは注意してね。

あとはもう、あれですよ。

コーヒー飲んで本を読んで、ノンビリとすごすいつものパターン。

やってることは毎回おなじ、けれど場所が違えば気分も変わる。

猪苗代湖でのキャンプはかなり久しぶりだ。

日帰りのデイキャンでは時々来ていたけど、泊まりとなると実に2年ぶり。

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当時の記事を振り返ってみたら、使っている道具もやっていることも今とほとんど一緒で、「変わってないなぁ」と我ながら苦笑い。

それともココは、『完成されている』と前向きに捉えるべきかw

猪苗代湖畔のキャンプは、物資素材には事欠かない。

枝はそこらじゅうに落ちているし、携帯浄水器があれば水は目の前に無尽蔵。ランタンは頭上の木の枝に吊るせばハンガー要らず。

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現地調達はラクなうえ、お宝探しみたいでちょっと楽しい。

散歩がてらフラッと砂浜をぶらついて、夕食用の薪を確保してきました。

まだ寒さを感じるほど秋に近づいてもいないので、今回持ってきた焚き火台は、調理目的のウッドストーブ。

暖をとるわけでもないし、この程度の薪で十分です。

ひんやりとした日陰の空気に夏の終わりを感じるけれど、西日は依然ジリジリとしたエネルギーを投げつけてくる。

薄手の上着が欲しくなる夕刻にあって、日の当たっている身体の部位だけは熱を持っていて熱い。

自身の上に存在している寒暖差の感覚が面白い。

自然が引き起こす些細な変化が面白い。

ちょっと意識して目を向けてみれば、外の世界はじつに面白いことだらけ。

ありあわせの食材をただ煮込んだだけの料理でも、屋根のないところで食べるとこんなにも美味しい不思議。

やっぱり面白いなぁ。

なんて、お酒に酔った頭がくだらない働きをしている間にも、日が暮れていく。

昼間、SUPで気持ちよさそうに湖面に浮かんでいた人。

犬を連れて笑いあう2人。

立ち止まり空を見上げていた老年の夫婦。

すっかり薄暗くなった今、左右にずっと続く砂浜には日中の人影はもうない。

音のしない静かな波は侘しさと、妙な充足感をぼくにくれる。

う~ん『バグダッド・カフェ』だw

調理の終わった残り火で、しばしの時間ささやかな焚き火を楽しんだ。

ラジオと本をお供にして、夜はとっぷりと更けていく。

まったく、贅沢な時間だね。

この静寂と心地良い孤独感が、ソロで過ごすキャンプの醍醐味。

2日目。

昨夜は思いのほか早く眠りについてしまったため、目覚めたのは薄暗さの残る時間帯だった。

お、まだ月が残ってる。

中秋の名月からはすこしばかり過ぎたけど、見事にきれいな銀色の満月。

昨日の晩は、眠気で全然見れなかったからなぁ。

砂浜に腰を下ろして、しばらくのあいだ見上げてた。

とっても堪能した! こういう些細な事の一つ一つがキャンプの魅力。

あとは明るくなってくるまで、テントで本の続きをよんだり、カレーメシを食べたり。

時の移り変わりを体感できるこの時間が好きだ。

鈴のような虫の声は、いつしか蜂とトンボの羽音に変わっていた。

さて、撤収しますか。

折りたたみ四角バケツのおかげで、片付けもラクになったし。

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忘れ物も無し物もなく、ひさしぶりの猪苗代湖キャンプは無事終了。

次にどこ行くかはまだ決めてないけど、秋の気配がずっと深まる頃のはず。

湖畔が2回続いたから今度は山にしうよかなんて、考えている時がいちばん楽しいのかもしれないね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

おわり。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 主だけが知ってる場所なのかもですが差し支えなければ詳しい場所教えていただけないでしょうか

  • やまさん、こんにちは。
    見て頂いてありがとうございます。

    あそこは、舟津のあたりに広がる防風林の中になります。
    シーズン過ぎれば人も少なく、良いとこですよ。

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