セリアのプラダン(プラスチック段ボール)折り畳みテーブルは、個人的には70点のギア。
けっこう好印象です。
元祖ともいえるカスケードワイルドのプラダンテーブルと比べても、値段の差を考えたら上出来。
すこし強度に不安はあるものの、無理しなければ大丈夫。
バックパックキャンプでコスパを求めるなら、選択肢として全然アリ!
じゅうぶん使えるテーブルでした。
ある冬の日の、キャンプの昼時。
愛用しているカスケードワイルドのプラダンテーブルの傍らで、小さなフランパンを使い、コンビニで買ったフレンチトーストを温めていました。
少しきつね色になるくらい火にかけると、表面がカリッとなって、各段に美味しくなるのです。
コーヒー片手にのんびりと。
甘いバターの香りはふわりと優しく、氷点下の冷え固まった空気をほぐすよう。
もう早く食べたくて、火から外したフライパンを無造作に置き、香ばしく焼けたフレンチトーストにフォークをぐさり。
口に運ぶと、
「うんまぁ~~!」
と歓喜の声を上げる美味しさ。
もりもり食べていたんですが、なにやらちょっと、いやなニオイがするような・・・
あっ!!
熱々のフライパンをプラダンテーブルの上に置いてしまってたァァァァァ!溶けてるゥゥゥゥゥッ!!
すぐにどけたけど、時すでに遅し。
ぼくのカスケードワイルドは無残な姿に変わり果て、帰らぬギアとなってしまいました。
気を付けていたつもりだったんですけどね。
フレンチトーストの魅力に、冷静さを失っていたようです。
そんなわけでカスケードワイルドを失ったぼくですが、悲観に暮れるばかりでは人は前に進めません。
以前より気になっていたセリアのプラダンテーブルを試すべく、さっそくキャンプ帰りに買って帰りましたw
そして冬のあいだ、たっぷりと使ってみましたので、その感想が今回の記事となります。
セリアのULギア【プラダン折りたたみテーブル】
プラダンテーブルというのは文字通り、プラスチック段ボール、略して “プラダン” で出来た折りたたみみテーブルのこと。
Cascade Wildさんが(たぶん)オリジナルで、UL(ウルトラライト)界隈では有名なギア。
とにかく軽量なのが特徴で、アルミやステンレス、チタンなど、どんな金属製のミニテーブルでもまるで敵わない、圧倒的な軽さです。
なんせ何も置かない状態だと、風で飛んでしまうほど。
軽量趣向のキャンパーは要チェックのギア、それがプラダンテーブルです。
そんなプラダンテーブルが100均セリアで買えてしまう。
じつは数年前から売っていたので、知っている方も多いはず。
サイズ
【組み立て時】:22.5×20×8cm
【収納時】:30.5×9×3cm
【重さ】:約55g(実測)
【耐荷重】:2キロ
とても軽くコンパクトだから、徒歩キャンプなどとは好相性。
隙間にスッと入ってしまうサイズなので、ぜんぜん荷物になりません。
組み立ても難しいことはなく、一回やれば覚えられます。
開いたり曲げたり留めたりと、やることは色々あるんですけど、慣れれば10秒もかかりません。
器用な人も不器用な人も、どっちでも大丈夫ですよ。
使い勝手
天板のサイズは22.5×20cm。
これはソロ用ミニテーブルの中でも小さい部類に入ります。
置けるのは最小限のモノだけと考えた方がいい。
ただ、そもそもULスタイルのギア。
軽さと機能性はトレードオフな、とてもきびしい業界なので、ここは仕方のないところ。
置けないものは諦めて、地球をテーブルとする自由を喜びましょう。
耐荷重
耐荷重は2キロなので、一人用のテーブルとして普通に使う分には問題なし。
ちなみに、食品が期限を過ぎても食べれる(自己責任です)ように、このテーブルも2キロ以上のせても一応、大丈夫。
このとおり、3キロの鉄アレイでも耐えられます。(画像のテーブルはサイドを折っていません)
スキレットや小型のダッチオーブンも、重さ的には大丈夫ですが、所詮はプラスチック。
熱にはどうしようもなく弱いので、そこらへんはご注意ください。
耐熱性
上でもちょっと触れましたが、このテーブル、素材がプラスチックだから熱には弱いです。
耐熱温度の表記はないけれど、同じプラダン素材のカスケードワイルドが耐熱温度162℃なので、だいたい同じくらいかと思います。
これがどのくらいかというと、湯を沸かしたクッカーやケトル程度なら置いても大丈夫。
いっぽう、炒め物などを作ったフライパンは、火から下ろしてすぐに置くと溶けちゃいます。
個人的な感覚だと、液体ならOK、固形はNG、って感じでしょうか。
じゃあ中間のカレーはどうなの?という疑問には、『試してないから分かりません』としか言えませんすいません。
耐熱性向上カスタム
そこで、プラダンテーブルの弱点である耐熱性を向上させるべく、ちょっと改造を施してみることに。
使用したのは、おなじセリアで買ってきた『オーブンシート』。
これを両面テープで貼り付けました。
本当はアルミ板などを使ったほうが効果は高いのでしょう。
けれど、『より安くより簡単に出来て、軽量さを損なわない』を理由に、オーブンシートを選びました。
結果・・・
おおっ!溶けない!
火から下ろしてすぐに置いても大丈夫でした。
これまでは、プラダンテーブルを使うとき、フライパンをバーナーの上にのせたまま食事をしていたので、ちょっと不安定だったんですよね。
それが解決してうれしい。
と、ポケモンGOでなぜか紫っぽいネズミしか出ない悲しみを忘れるほど喜びましたが、それも束の間・・・。
シートのすき間が溶けました。
シート下のテーブル本体も、微妙に波打っています。
どうやら、溶けないまでも熱によるダメージはあるみたい。
けれどまぁ、使えなくなるほどじゃない。
いちおう、このカスタムは『半分成功』ということで良いんじゃないでしょうか。どうでしょう?
天板を広く使いたい
サイドを折らずに使う
先にも触れたとおり、このテーブルは小さいです。
ULスタイルだと使っているクッカーも少なく小型な場合がほとんどなので、このサイズでも大丈夫なんだけど、やっぱり小ささは否めません。
そう感じたら、サイドを折らずに組み立ててみましょう。
天板が約8cmも広くなります。
強度的にちょっと弱くはなるものの、使えないほどではありません。
マジックテープも簡単にはがせますよ。
天板が少し浮いてしまいますが、上にものを載せれば大丈夫です。
ただ、一度でもサイドを折ってしまうと、折り癖が付いてしまうので注意。
連結させる
このテーブルは、横についているポッチで連結が可能です。
2つを繋げた場合の天板の大きさは、鹿番長のアレとほぼ同じになります。
画像のプラダンテーブルはサイドを折っていませんが、こうして使用する場合は折った方が断然使いやすいです。
サイドを折った場合、鹿番長より若干小さくなるけれど、ここまでくればもはや小さいなどどとは言わせない、誰が見ても立派なテーブル。
いろんなものが載りますよ。
いつもより品数を増やした豪華なディナーも「どんとこい!」的な頼もしさすら感じます。
ただ素材がプラダンである事実は変わりません。
うっかりお酒満載のクーラーボックスでも載せようものなら『グシャッ』と潰れるので、そこらへんご注意を。
アルミロールテーブルをクーラーボックスの台にするのは定番の使い方なのです。
カスケードワイルドとの差
値段はまるで違うものの、競合製品と言えなくもないのが、元祖プラダンテーブル『カスケードワイルド』。
サイズ(サイドを折らない場合)も重さもほとんど変わりません。
セリア | カスケードワイルド | |
---|---|---|
長辺 | 22.5cm(サイド折らないと30.5) | 30.5cm |
短辺 | 20cm | 20.3cm |
高さ | 8cm | 8.3cm |
重さ | 55g | 60g |
耐荷重 | 2kg | 4kg |
耐荷重はセリアが2キロで、これはカスケードの半分ですが、普通に使う分には問題なし。
「じゃあもうセリアでいいじゃない」
ってなりそうですが、ぼくはカスケードワイルドを選びます。
それはなぜか?
同じプラダンでも耐久性がぜんぜん違うからです。
セリアは全体的に柔らかく、何度も使っているうちに、ふにゃふにゃになってきます。
その素材の弱さをカバーするため、サイドを折る組み立て方で強度を出しているのだと思います。
結果、天板が小さくなってしまう。
比べてみると、カスケードのほうがはっきりと丈夫です。
5年くらい使ってきましたが、フライパンで溶かしてしまう悲劇に見舞われなければ、まだまだ健在でした。
その差は普段使いにも表れていて、カスケードのほうがカッチリとした剛性感があって扱いやすいです。
一方で、セリアのテーブルも限界は低いけれど機能的には問題なく、強度の低さは価格でカバーしています。
『壊れたら買い替えればいい』の精神ですね。
だって、2000円のカスケードを買おうかと思ったら、セリアは20個(税別)ゲットできるんですよ!?
20個買って、半年ごとに交換するとしたら、使い切るのに10年・・・
あれ、やっぱりカスケードじゃなくて、セリアで良いかも。
まとめ
じつは、記事中のオーブンシートを貼ったセリアのプラダンテーブルは、すでにお亡くなりになっています。
キャンプ中に誤って、うっかり手をついて潰してしまいました。
グシャっと。
さすがにイチコロでしたね。
ただ、プラダンは素材的に弾性があるので、手をどけたらすぐ『みょんっ!』と元気に元通り。
けれど、クッカーを置いたら再び『グシャ』っと潰れました。
耐荷重が2kgから200g程度になってしまったようです。
「じゃあまたカスケード買うか」
とも思ったのですが、結果的にぼくの手元には、2代目のセリアプラダンがやってきました。
だって100円なんだもの。
多少の不便さは伴うものの、100円なんだもの。
なるほど。
「これがセリアプラダンの最大の利点か」と、実感を込めて今なら言えます。
コスパは最高&重要。
悲しいけれど、これも現実。
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