3月10日。
雪の心配をしながら、裏磐梯ソロキャンプに向かいました。
いつもの『みちのくキャンプ場』です。
心配とは、「降るかな?」ではなく「まだ残っているかな?」のほう。
だって3月といえば、だんだんと冬の終わりが見えてくる頃。
とくに今シーズンは記録的な暖冬で、とっても雪が少なかったから、もう無くなってしまっているかもしれない。
いくら何でも『きれいさっぱり』ってことはないだろう。
けど、ところどころ地面が見えるくらいには溶けていても不思議じゃない。
「もしそうなっていても落胆しないよう、心の準備はしとくんだ!」
と自分に言い聞かせ、念のため通常ペグも持ってきた。
雪と地面では使うペグが違うのです。
祈るような心持ちで、裏磐梯に到着すると・・・
たっぷりあった!
なんだよもう、心配して損しちゃったよ。
お天気も良好。しかも完ソロ。
素敵すぎ!
3月の裏磐梯で雪中完ソロキャンプ!
この時期は徐々に積雪も減ってきて、フワフワとした真綿のような新雪の感触も味わえなくなってくる。
雪面はかたく締まり、足が沈まなくなってスノーシューも要らなくなる。
まぁ、歩きやすいから、それはそれでいい。
そういった変化にちょっとの寂しさと春への期待が交じり合った、微妙な気分を味わう季節。
3月のソロキャンプは大抵そんな感じ、のはずなんだけど・・・。
雪、フッカフカ!
前日の悪天候でけっこう降ったから、足元はテンションをぶち上げるフカフカの雪。
スノーペグが使えるだけの深さもあって、ひと安心。
ときおり冷たい風が吹くけれど、気持ちよく雪中キャンプできそうな良コンディションと言えるでしょう。
雪ないかも?という心配も杞憂に終わって、ウキウキしながらテント設営。
自分ひとりだけの完ソロです。
あぁ良い気持ち。
やっぱりソロキャンプは、視界の中に人の気配が入り込まないのが最高だなぁ。
冷たいすきま風が辛いから
設営が完了したあとまず最初にすることは、毎回かならず決まっています。
それは、テント前に座ってコーヒーで一息つく!
もはやルーティンともいえる行為です。
今回もさっそくお湯を沸かす準備をしていると、ときおり『びゅぅ』って吹く風が冷たいのなんの。
頬が痛い。
ニット帽から出た耳の下半分がもっと痛い。
「このままじゃ辛いなぁ」
と判断してミニタープを被せたけれど、すきま風が防ぎきれない。
だからね、作ってやりましたよ。
雪壁の防御壁!
すっかり風の吹きこみも無くなって、効果は抜群。
視界は半分になったものの、隙間からのぞく風景がフレームの中の絵画のようで、なんだか味わい深い。
とても快適な空間も出来上がったし、さぁ一服しよう。
このシチュエーション+フレンチトーストとコーヒーが、まるで美術館のカフェにでも居るかのような気分にさせてくれる。
まぁ、気温は0℃だけどね。
でも、甘~いパンと濃いブラックコーヒー。
それらを、誰もいない物音もしない、まっさらな雪景色のなか味わうなんてシチュエーション、普段の生活ではまずありません。
こういうのの一つ一つが、ソロキャンプの魅力なのです。
一方で、この頃は『グループソロ』っていうスタイルも、一般化してきたように感じます。
ソロキャンプ同士で集まろうってスタンスですね。
「いやいや、集まった時点でソロじゃないじゃん」
って思うかもですが、ちゃんと一人の時間も大切にしていて、四六時中いっしょに居るわけじゃない。
それでいて皆おなじ趣味だから、話は尽きないしお互いの道具をみるのも楽しい。
前にグルソロやったときは、なかなか心地よい空間でした。
今年はもう少し、誰かと行く機会を増やしてみるのも良いかも。
ケトルで淹れる
今回は、久しぶりにケトルを持ち出してきました。
雰囲気は抜群に良いものの、実用性の面では遥かにクッカーが有利なため、滅多に使わないギア。
それがケトル。
持てる道具に限りのある雪中バックパックキャンプでは、なおさらです。
それでも、どうしても使いたくなったので、食事を簡素化してフライパンとともに持ってきました。
そのケトルでお湯を沸かしてティータイム。
勢いよく湯気が立ったら、持ち手のてっぺんをちょいと摘まんで、無造作に注ぐ。
出来上がった1杯は、やっぱりクッカーを使ったときより確実に美味い。
これは気のせいなんかじゃあない。
キャンプでは、ケトルからしか接種できない成分ってのが、ぜったいある。
ケトルタミンとかフルチルケトルンとか、なんかそんな感じの、リラックス効果の強いやつが。
こんなくだらないこと考えているのも、きっとその成分のせいなんですよ。きっと!
無暖房を普及させたい
午後になっても、人がやってくる気配はありません。
間違いなく完ソロになりそうです。
昨シーズンの冬キャンプでは、たとえ平日でも誰かしらいて、完ソロは1度もなかったと記憶している。
それが一変、今シーズンは完ソロばかり。やはりブームは落ち着いたのかな?
ひとり好きとしては喜ばしい限りです。
もっとも、ここ『みちのくキャンプ場』での雪中キャンプは、人が居ようと居まいと、ぼくにとってはいつも完ソロみたいなもの。
定位置にしているお気に入りの場所は、駐車スペースから未除雪地帯を150mくらい行ったところだから、スノーシュー等の装備無しでは入ってこれない。
必然的に装備は少なくなり、暖房を持ち込むのも面倒なので、その結果たどりつく真冬の無暖房というシンプルスタイル。
なんだけど、皆さんこれに魅力を感じないらしい。
いやいやいや。
想像するほど大変じゃないし、装備があればそれほど寒くもないし、なんなら割と快適ですらある。
とっても楽しいんだけどなぁ。
このスタイルに誰かを引きずり込みたいと企てているものの、いまのとこ手応えはない。
さっぱり系ビールがいい
やがて日暮れがやってきた。
ここから空は加速度的に夜闇へ染まる。
その速さに、まだまだ冬の健在を感じる。
だがしかし!
made in OKINAWAのオリオンビールをグイッと煽れば、気分は青い海を前にした常夏ですよ。
この軽くさっぱりしたのど越しは、ジメっとした湿気を吹き飛ばす夏の息吹。
大好きなんです。見かけるとついつい買ってしまう。
焚き火の熱を、夏の暑い風に見立てて、冬のソロ酒盛りは盛り上がる。
今夜のメニューは、ケトルとフライパンだけで簡単に出来上がる『マルちゃんホットワンタン』と『冷凍チャーハン』。
じつはこれも大好きな組み合わせ。
健康のことなぞこの時ばかりはスパッと忘れ、ジャンクな欲望に身を任せる。
それもまたキャンプです(笑)
ちなみに・・・
もっとも好きなビールは、ラオスの『ビアラオ』。その次がタイの『シンハー』。
ジメッと暑い夏に飲むと最高のさっぱりビールです。
もちろん、冬だって美味い!
油断大敵
朝は前日と同じ良い天気で始まった。
気温も-4.9℃とさほど下がらず、陽が上れば暖かささえ感じるくらい。
それでも雪面はちゃんと凍っていて、フカフカだった昨日から一変、パリパリのサクサクに変わっていました。
ちょっと歩いてみると、さほど足も沈まない。
積雪が少ないぶん、奥まで冷気が浸透して、普段よりも凍結したのでしょうか?よく知らんけど。
沈まぬ足に文字通り浮足立ってそこらへんを歩き回っていると、ちょっとテンション上がってきました。
そこに姿を現した、森の奥へと誘うような、光と影のコントラスト。
『スノーシュー無しで森は危険だぞ、やめとけよ!』
との心の声を押しのけて、ふらふらっと足を踏み入れたその先で・・・
ズボッ!
っといきなり踏み抜き、左足が股まで埋まりましたw
うん、やめとこ。
うどん再び
キャンプの締めイベントである、朝食タイムがやってきた。
ぼくの場合、時間はとくに決まっておらず、お腹がすいた時が食べ時。
これが夕食だと、いつもダラダラとお酒を飲みながらいつの間にか始まることが多いので、空腹を感じる間もない。
いっぽう朝は、起きて一定時間が経つと明確な空腹感がやってくる。
それを朝食の合図にすると、『ちゃんと自然の中で生き物しているなぁ』って実感がする・・・ような気がする。
あぁ生きてるって素晴らしいw
さて、今回のメニューは久しぶりのうどんです。
ナスとピーマンを適当に切って炒め、うどんとグリーンカレー缶詰を加えるだけ。
キャンプではこういう、『簡単だけどちょっとだけ料理している感』の味わえるメニューが好きです。
美味い!
フッ素加工フライパンのおかげで、料理がほんと手軽になりました。
朝食が終われば、あとは撤収するだけ。
そのタイミングは気分しだい。
きっと今季最後になるであろう雪中キャンプは、いつもよりもほんの少し、ノンビリして帰りました。
今回のキャンプはこれでお終い。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (2件)
sizuwaさん、こんにちは。
待ってました。キャンプ記事。
フッカフカの雪、何よりです。
思わず浮かびました。
犬は喜び庭駆け回り・・・(笑)
雪の風よけ、いいですね。
時間たっぷりあるから、
人手間かかる工夫も何のその!ですよね。
むしろ、してやった感を楽しむ。
食事の豊かさを犠牲にしてケトル。
食欲まみれの私からは想像もできません。
うーむ、男のロマンとは。
sizuwaさんは、暑い地のビールがお好きなんですね。
昔、旅された時のお好みなんでしょうか。
ラオスビール、見つけられたら一度試してみます!
さめじろうさん、こんにちは。
おそらく今季最後になるであろう雪キャンプ、楽しかったです。
まさに駆け回っていました。
雪は掘ったり積んだり、いろいろ出来るのが良いんですよね。
それなりに手間ではありますが、おっしゃる通り、時間だけはたっぷりですからw
それもソロのいいところです。
ケトルは時々、無性に使いたくなるんです。
調理道具というよりは、癒しのギアって感じ。
冬に持ち出すことは滅多にないんですが、雪景色との相性もばつぐんでしたw
ラオスのビアラオは、本当に美味しいですよ。
東南アジアで1番うまいとも言われているらしいです。
暑い現地で飲んだ時は、おもわず「旨すぎるっ!」と唸りました。
欠点は、日本の地方ではなかなか見かけないことですね。
機会があればぜひぜひ試してみてください!