1月28日。
薄めの雲がゆっくりと動く、とても静かな朝。
前日に吹いてた強い風は、予報の通り、夜半過ぎに止んだみたいだ。
よかった、これならキャンプに行ける。
1日ずらして正解だったな。
どの季節でも、キャンプでいちばん辛いのは風なのだ。
なかでも冬はとくに辛い。
氷点下のなか風速5mとか吹かれると、もうテントに籠るしかなくなってしまう。
まぁ、それはそれで楽しかったりもするんだけれどね。
でもやっぱり、穏やかなお天気がいちばん。
風のない今日ならば、気持ちの良い、落ち着いたキャンプが出来そうです。
1月末の裏磐梯・完ソロ雪中バックパックキャンプ!
というワケで、今シーズン2回目。
裏磐梯へソロキャンプに行ってきました。
本当は前日の予定だったので、荷物はもう準備済み。
あとは車に乗り込むだけ!
ひと月ぶりとなる裏磐梯。
前回に来たときは雪が少なく、ちょっと不完全燃焼気味でした。
けれど今はもう一月の末、冬真っ盛り。
大丈夫、今回はちゃんと積もってる!
積雪は60cmくらいかな。
例年と比べたらぜんぜん少ないものの、雪の上を歩く感触はちゃんと味わえる。
しばし、フカフカとした雪上散歩を楽しみました。
やっぱり新雪はたまらない。
さあ、いつもの場所に到着したし、ザックを下ろして設営を始めよう。
ひと仕事だ!
汗冷えしないよう上着を脱いで、頭と首に手ぬぐいを巻き、あとはひたすらスノーシューでぺったんぺったん踏み固め。
あらかたスペースが出来上がったら、今度は片膝ついて、平坦さをチェック&さらにチェック。
芝目をよむゴルファーみたいじゃない?なんて思ったり。
ゴルフしたことないけどね。
雪の上の凸凹は滑ってしまうぶん、土の地面よりも厄介なのです。
だから念入りに。
仕上げにスノーショベルで平らにならして、テント建てたら完成です。
あと、出入り口前に、足を入れる穴を掘るのも忘れずに。
この一連の作業がけっこう疲れるんだけど、『雪中キャンプに来た!』って気分になるから意外と好き。
日々の労働は大っ嫌いだけど!w
冬の完ソロはとても静かに
翌日が月曜ということもあり、まわりには自分以外だれもいません。
そう、完ソロってやつですよ!
雪は音を吸うからか、人のいない無風の雪原は、驚くほどしんとしています。
おなじ完ソロでも、無雪期よりもずっと静か。
見渡せば、空も地も似たような灰色で抑揚がなく、人によっては陰鬱とも感じられそうな雰囲気。
うん、嫌いじゃないです。
性格的に完全内向型なもんで、こういうの、ひたすら自分の世界に浸れて、けっこう好き。
そしてたまに顔を見せる青空が、吸い込まれそうに美しい。
冬の青の鋭さに、ちょっと体の奥のほうが、ぶるっと震えたような気がした。
けっして寒いわけじゃない。
甘味がやめられない
毎度毎度のことですが・・・。
ぼくのキャンプの楽しみ方は、読書とコーヒー、ぶらりと散歩。
飽きもせず、いつものお決まりです。
今回はある程度雪が積もったので、林の中へ入って行ける。
でもまずは、腹が減ってはなんとやら。
軽く昼食をとるとしよう。
気温が低いと体温を維持するためか、普段よりエネルギー消費が多い気がするんだよなぁ。
だから夏ごろよりも確実に肉の付いたこのお腹は、そのエネルギーを蓄えるための自然の摂理だ。
と、ありがちな言い訳をしてみるものの・・・
今回も甘いやーーーつ!
大好きな、ヤマザキ・ホワイトデニッシュショコラ。
ミニロースターでちょっと炙ってやれば、外側は熱々のパリパリで、その下のパン生地はふんわりと温かく、中は冷たいチョコがパキッと音を立てる。
そのあとの濃い目のコーヒーがたまらない。
いつもの僕です
積雪があるとは言っても、例年と比べればずっと少ない。
中途半端に雪の積もった林の中は、一面真っ白とはいかず、雪面から余計なものがいろいろ飛び出している。
なんだか寒々とした雰囲気。
それを『埋もれていてほしいものが埋まってないから』と理由づけるのは、こちらの身勝手というもの。
自然には、人の世の『見ないふり』なんて理屈は通じない。
いつだって手厳しいのだ。
笹が出ていて歩きずらいんですけど!、なんて文句を言ってもしょうがないよねw
まぁ、水辺を見て満足したので、あとはテントに帰ってのんびりとすごそう。
つぎに来るときは、もうちょっと積もってたらうれしいなぁ。
汗を吸って湿っぽくなった手ぬぐいを外したら、あとはもう動かない。
だらだらとした時間を存分に楽しむのみですよ。
コーヒーはさっき濃い目を飲んだから、今度は紅茶にしておいた。
最近、「カフェインをもうすこし控えるように」と妻さんからしつこく言われているのです。
もちろん、彼女がそう警告するのは決して嫌がらせな訳ではない、と分かってますので、ちゃんと言いつけは守ります、はい。
本とお菓子を用意して、文字通り、午後のティータイム。
目の前にあるのがコーヒーじゃないのはいささか不本意ではありますが、こうなったら全力でお紅茶を堪能してやろうじゃないか!
と意気込んで、茶葉をじっくり蒸らしていると、ふわんとやさしげな良い香り。
クッカーの蓋をソーサーに見立てたら、なんだか少し優雅な雰囲気が漂ってきた気さえします。
「いまの自分は映えているんじゃないだろうかっ!?」
そう思って、咄嗟に自撮りしてみたら・・・
いつもの僕でした。
すみません、勘違いだったようです。
ラジオから流れる競馬中継の、なにやら興奮したアナウンサーの声が、ちょっぴりむなしく響いていました。
なんだか寒くなってきた
やがて日も暮れて、焚き火台に炎が上がると、急にお腹がすいてくる。
焚き火=ご飯という図式が、すっかり体に染みついてしまっているみたい。
これを『キャンプあるある』だと、自分は勝手に思っています。
今回の夕食は餅。お雑煮です。
この時期は、妻さんから鏡餅の消費指令が下るので、だいたい餅を持ってきます。
日中からずっと冬の冷気にさらされ続けていたその餅は、思いのほか硬い。
たしか前回は、フルタングナイフでバトニングして叩き切った記憶があります。
今回そのフルタングナイフは持ってきておらず、軽めのナイフが一本あるだけ。
全っっっ然、切れませんでした。
仕方がないのでそのまま網で焼くことに。
すぐに美味しそうな、焼けたお米の匂いがしてきました。
やっぱり直火は火力あるなぁ。
ところが・・・
膨れていく餅を眺めながらお酒を堪能していたら、いつのまにか炎に飲み込まれ、真っ黒になってしまいました。
焚き火から目を離すのは厳★禁!(笑)
夜の冷気にあてられたのか、なにやら背中がヒンヤリする。
ふと後ろを振り向くと、煌々とした月灯り。
頭上はすっきりと晴れ、薄く広がった墨汁のような空に、点々と輝く星のまたたき。
そういえば、天気は明朝にかけ回復傾向だったっけ。
なんて思い出しながら、立ち上がってテントに向かうと、またぶるっとした震えが来た。
暖かな焚き火から離れたとたん、冷たい空気がまとわりついてくる。
テントにぶら下げた温度計を確認すると、気温は-6℃まで下がっていました。
明日の朝は、放射冷却かな。
快晴と放射冷却
テントから顔を出し、「ふぅ」とひとつ、深呼吸。
息は掴めそうなほど濃い真っ白な塊となって、青白い景色のなか、しばらく溶けずに漂っている。
快晴だ。
気温は-9.9℃。
惜しい。もうすこしで-10℃だったのにな。
まぁ、裏磐梯で放射冷却になると、このくらいの気温はめずらしくない。
低温時の雪はサラサラとして、湿っぽさのかけらもないから、サッと払えばすぐ落ちる。
だから冬キャンプは、より気温が低いほうがラクだと思う。
寝袋の中でヌクヌクだった身体がちょっと冷えてきた。
とりあえず、暖かいものでも飲もう。
やっぱり日本の朝は緑茶ですよ。
コーヒーではなく、ジャパニーズグリーンティー。
琥珀色した魅惑の飲み物はガマンです(涙)
とにかく良い天気なので、無駄に早起きなojisanは、ブラブラと朝散歩に勤しむ。
そのうち、陽が上ってきました。
とたんに体感温度も急上昇。
磐梯山の輪郭も、くっきりはっきり見えてきた。
同時にテンションも上がってきた!
太陽って偉大だねw
朝食にインスタントラーメンを食べて、思い残すことは何もなし。
存分に雪中キャンプを満喫しました。
撤収!
コメント
コメント一覧 (2件)
sizuwaさん、おはようございます。
雪中完ソロキャンプ、おめでとうございます!
雪原の中の無暖房キャンプ、sizuwaさんの真骨頂ですね。
月景色、早朝の輝く雪面、磐梯山、
贅沢な景色です。
いつもの僕。
テントの前に「ちーん」と座って
コンパクトに収まってるお姿。
笑ってしまいました。
カフェイン、私も控えております。
かつては1日に3-5杯ほどコーヒーを飲んでいましたが、
加齢とともに色々と出始め。苦笑。
刺激物を少しずつ減らしていこうと。
金色の飲み物はやめられないため、
琥珀色をやめることにしました。
すると。
外出の際、時折飲むコーヒーのおいしいこと!
これはこれで良しってことにしています。
さめじろうさん、こんにちは。
完ソロ、のんびりできて最高でした。
やはり自分はぼっち属性なんだと、あらためて認識した次第です。
コーヒーを減らすようになってしばらく経つんですが、じつのところ、あまり体調に変化はありません。
どうやら自分は、カフェインに影響を受けづらい体質のようです。
それでも、さめじろうさんと同じように、たまに飲むときの美味しさは倍増しました!
結果スターバックスに行く回数が増えてしまって、良いのか悪いのか?って状況ですw
でも、スタバでコーヒー飲みながらブログ書いてるとすごく捗るので、ぼくも、これはこれで良しっと思うことにします!w