昼間はポカポカと気持ちよく、夜はちょぴり肌寒い。
キャンプするにはそんな時期がちょうどいい。
と言いつつも、ぼくは冬の雪中キャンプがいちばん好きだし、好みはホント人それぞれ。
ラーメンに例えるなら「地獄のように煮えたぎった熱さじゃないと!」なんて人もいるかも知れない。
まぁ、それは個人の趣味嗜好。いろいろあって良い。みんな違ってみんな良いです。
けれど一般的な意見として、暑すぎず寒すぎず、具合の良い程度に寒暖差が感じられ、虫もまだ少ない。
そんな季節がキャンプに適しているのは、間違いのない事実。
まさに、6月の今ですね!
新緑が芽吹き出し、木々の高いところからハルゼミの声が涼しげに降り注ぐ。
なんだかんだ言いつつも、ぼくもこの時期のキャンプがいちばん心穏やかに、質の高いグダグダとした時間を過ごせています。
さて、多様なキャンプジャンルのひとつに『タープ泊』ってのがありまして。
テントを使わず、タープの下にむき出しで眠るスタイルです。
コットを使ったり蚊帳を張ったりする場合もありますが、ストロングスタイルな人は、地面にシートを敷いただけの上に寝袋で寝たりします。
外と自分を隔てるモノはなにもないワケですから、それはもう、自然の息吹をダイレクトに感じられるスタイルです。
穏やかな天気の午後、木陰が広がる芝生の上にシートを敷いて、ゴロンと寝転ぶ心地良さ。
すこし火照った頬を涼風がやわらかに撫でる。
見上げると、初夏の澄んだ空が広がっています。
それが2日に渡って続くロングバケーションがタープ泊。
どう?気持ち良さそうじゃないですか?
しかし、キャンプのキャの字も知らない知ろうともしないウチの妻さんに言わせれば、
「それってホーム〇スとなんか違うの?」
などというお言葉を、心底興味のなさそうなツラで吐き出す始末。
ぜんぜん違うよ!と憤慨するぼくは、
使っているギアの性能や
デザインやお値段や
その組み合わせが生み出すサイトの雰囲気
アウトドアの気持ちよさ
そういったのを少しでも理解してもらおうと、ユーチューブでタープ泊の様子を見せるべく即・検索!
ところが画面に出てきちゃったのは、100均の道具しか使わないブルーシートのタープ泊。
それを見た妻さんは、相変わらず心底興味のなさそうなツラで
「やっぱりホーム〇スじゃん」
と、再び吐き出しやがりました。
「イヤイヤこれは特殊な例で・・・」となんとか説明しようと発した言葉は、掃除機を手にした彼女の背中には届かない。
なんてやりとりを家で繰り広げているキャンプ好きの自分ですが、じつはタープ泊、やりません。
ここまで書いといて大変言い出しづらいのですが、タープ泊しません。まったく。
理由はいくつかありまして。
中でもいちばん大きなワケは、虫の存在です。
さっき『虫の少ない時期』なんて言いましたけど、多い少ないがあるだけで、奴らは基本一年中います。
とくにアリや毛虫なんかは、かなり長い期間にわたって活動しています。
普段はシレッと「夏の住人」みたいな顔してるけど、お前らじつは寒さに強かったの?・・・って、妙に感心してしまうほど。
野生は強いな!
もうずいぶん昔のこと。
子供の頃にテレビで見た映画のシーンで、こんなのがありました。
なんかの探検隊の一行が野宿しているんですけど、突然、眠っていた一人が耳を抑え苦しみだします。
なんだなんだと仲間が集まると、耳の中にアリが侵入していることが判明。
このままじゃ鼓膜の一大事です。
そこで彼らのとった行動は、ロウソクに火を灯し、溶けたロウを耳に流し込むという荒療治。
ま、たしかにアリも死ぬでしょうけど・・・怖すぎるだろっ!
アリが耳に入るってシチュエーションが本当にあり得そうで、これを見てから、外で眠るのが恐ろしくなりました。
しかし大人になる頃には、その恐怖も薄れます。
ぼくはバイクやヒッチハイクでの旅にハマり、予算を削るため、好んで野宿をしていました。
無人駅の軒下とか、街はずれの公園とか、だだっ広い駐車場の片隅とか。
銀マットに安物の寝袋だけのシンプルスタイル。
無謀な若さも手伝ってそれなりに快適だったんですが、ある夜、寝袋へ侵入してきたクモに首筋を噛まれてしまいました。
それに懲りてテント泊へと切り替えたのです。
そしてキレイに整地された芝生の心地良さを知ったいま、メインフィールドはキャンプ場となりました。
快適さはずっと上がったのですが、なぜか野宿時代よりも毛虫と遭遇する確率も上がりました。
地べたスタイルで座っていると、良く見えるんですよ。
あっちのほうから、リズミカルに身体をくねらせながら迷いなく近づいてくる、毛虫のすがた。
まぁもう慣れたものです。
ペグとか木の枝ですくい上げて、遠くに退場してもらいます。
けれど、少しするとまたやってくるんですよ。リズミカルに。
「え!さっきと同じヤツか?!」
と、一瞬ビックリしますが、さすがに毛虫の見分けはつきません。
先ほどのヤツと毛色がそっくりのソイツをまたすくい上げ、再びポイッと退場してもらう。
気が付くとまたそこにいる。
また退場してもらう。
キャンプ中そんなのを何度か繰り返すことが、よくあります。
あいつらは音もなく忍び寄ってくるので、気付けず手痛い事態になったこともありました。
そのような諸々の経験から、ぼくはタープ泊はしないと固く心に決めたのです。
けれど6月のこの時期は、あまりの心地良さに決意が揺らぐこともあり・・・
そんなときは想像します。
寝袋に入り身動きがとれない状況で、すぐ横から毛虫がリズミカルに迫ってくる場面を。
すると気持ちが『ヒュン』となって、あっという間に冷静さを取り戻せるのです。
タープ泊、やっぱりちょっと怖いなぁ・・・。
コメント
コメント一覧 (2件)
初めまして。
バンドックのソロドームのインナーのみ使うといいですよ。5分で完成する自立式でインナーのみなら1キロ程度のコンパクト。ポールもアルミです。
見て下さってありがとうございます!
インナーテントを虫対策に使うのもアリですよね。
鉄壁かつ外の空気も味わえて、とても良さそうです。