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冬キャンプでは『電熱ウェアよりカイロが良い!』その理由

理由なんて言っても、あくまで「自分のキャンプでは」って個人的な話で恐縮なんですけれど。

ぼくは冬になると、毎年毎年飽きもせず、裏磐梯で雪中キャンプを楽しんでいます。

それは大人の雪遊び。

あたり一面は頭の先まですっぽり埋まるくらいの雪に沈み、気温は日中でも氷点下。

バックパックを背負いスノーシューを履いて雪原に分け入って、雪を掘りテント設営。

ストーブは持って行かないので、テントの中も氷点下。

本を読んだり散歩したり、コーヒー飲んでノンビリと過ごす。

そんな一人の時間にたまらなく癒されます。

やがて夜が来て、さらに気温は下がり、凍てつく空気に瞬く星。

キンキンに冷えたビール。

熱々の鍋。

青白い、長い夜。

その最中、身体を暖めてくれる唯一の暖房は、古風なカイロ。

最近はスイッチひとつで極楽の暖かさが手に入る『電熱ウェア』が流行りですが、ぼくはあえて、古風なカイロを握りしめて冬の夜を過ごしています。

目次

冬キャンプ。電熱ウェアより、カイロを選ぶ

電熱ウェアは手軽だけれど

電熱ウェアは確かに便利です。

ぼくもヒーターベストを持っていて、何度かキャンプで使ってみてそう思いました。

スイッチを入れればすぐに暖かくなって、『強・中・弱』と切り替えも出来る。

暑くなったらOFFにすればいいし、何枚も着込む必要もない。

「これは便利なもの買ったぞ!」

と、はじめは大興奮しましたよ。

けれど使っていくうちに、どうやら自分のキャンプには向かないみたいだ、となりまして・・・。

まず、バッテリーの問題。

電熱ウェアの暖かさはバッテリーに依存しています。

容量10000mAhのモバイルバッテリーを使っていたんですが、1泊2日中ずっと使うにはちょっと足りませんでした。

0℃付近の暖かい日ならまだ大丈夫だけれど、昼間から-5℃以下になるような冷え込む日は、途中でバッテリー切れになってしまうのです。

夜中に切れたときの絶望たるや・・・

数や容量を増やそうにも、モバイルバッテリーはけっこう重いから、バックパックスタイルではちょっと難しい。

それに、せっかく非日常のキャンプなのにバッテリーの残量を気にしながら過ごすのは、どこか日常の延長線上にいるようでなんだか心が休まりません。

その気持ちに気づいた時点で、「あ、コレは(自分に)向かないな」と思ったのです。

次に、就寝時の問題。

寝袋を湯たんぽで温めるのは、凍てつく夜には効果抜群。

ぼくの場合、湯たんぽとは言っても、熱々のステンレスボトルをタオルでぐるぐる巻きにしたものですが、効果は一緒。

朝までポカポカです。

とある事情からこれの使用をやめて、ヒーターベストにはその代わりを期待したんだけれど、残念ながら無理でした。

就寝時の電熱ウェア使用は自己責任です。

懸念だった低温やけどについては、ある程度服を着たうえでヒーターを弱にすれば大丈夫だった。

ただ、やはりバッテリーがね。

ポケットの中の硬く重いバッテリーがたまらなく邪魔なのですw

寝返りをうつ度に『ゴリッ』となって、痛いし断線が心配だしで、気になって仕方ない。

そんなわけで、冬キャンプで電熱ウェアを使うのは断念することになりました。

カイロの、いつでも確かな暖かさ

いっぽうで、カイロならバッテリーの心配とは無縁。

ぼくは使い捨てカイロと、燃料式のハクキンカイロの2つを使います。

袋を破り、カサカサと振る。

あるいは、火口をライターでじわりと炙る。

その動作とともにじわじわと広がる熱には、たしかな安心を感じます。

少なくとも、自分の体験したどんな環境でも、暖かさも使用時間も変わりません。

いつだって裏切ることなく、朝まで寄り添ってくれるのです。

まぁ、酔っぱらって時間計算をミスって夜中に冷たくなっちゃったこと、一度や二度じゃないんですけどねw

ハクキンカイロは環境には影響されませんが、火口の状態で多少使用時間が変わります。

自由な「暖」の置き場所

カイロの真骨頂は、その自由さ。

電熱ウェアのヒーターはどうしても服の構造に縛られて、背中は温めてくれますが、そこだけ。

でもカイロなら、好きな場所を温められます。

背中にプラスして、ふくらはぎや太ももに貼ると体全体が暖かい。

お腹に貼ると心地いい。

寝るときには、まだ温かいカイロをマットに貼り直すと、ぶ厚い冬用寝袋越しで丁度良い温度になって、一晩中背中を温めてくれる。

ダウンソックスの足裏に貼るのもおすすめ。

ひときわ熱いハクキンカイロは、寝袋の足元に放り込んでおく。

寒さの中でのこのアナログなやり取りが、自然と対話しているような感覚を与えてくれて楽しいのです。

スイッチ一つと比べたら手間なんですけど、その手間が冬キャンプの醍醐味に思えてくるから不思議なものだよね。

まとめ

『電熱ウェア+モバイルバッテリー』の利点はいつでもすぐに使える手軽さで、弱点はバッテリーの管理と重さ。背中しか温められない柔軟性の無さ。

いっぽうで、『カイロ+インナーダウンジャケット』の利点は、どこにでも使える自由度の高さと、稼働時間の読みやすさ。あと軽さ。弱点は、一度使ったら止められないこと、かな。

どちらが良いかはケースバイケースで、例えばデイキャンプとか、それほど寒くない0℃付近の時期ならば、電熱ウェアのほうが便利です。

車が横にあって、荷物を気にする必要のない場合もそう。

でも-10℃以下になったり、雪の中に突入して車には戻らないようなスタイルのキャンプだと、バッテリーの稼働時間とか重さがネックになってしまう。

手軽だけど小回りの利かない『電熱ウェア+モバイルバッテリー』より、軽量なうえ様々な場面に対処できる『カイロ+インナーダウンジャケット』のほうが、ぼくの冬キャンプには合ってました。

そういうわけで、今年もカイロを握りしめて、雪中キャンプに出掛けてきます。

ようやくシーズンが来ましたから!


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