こんにちは、シズワです。
今年の冬は雪の質が良くて、ゴキゲンな雪中キャンプを満喫できて幸せです!
さて、冬のキャンプを快適にすごすための重要アイテムNo.2は寝袋。これのチョイスを間違うと、暑いのはまだいいとして、寒い場合はかなりツライ。
キャンプ自体が成り立たなくなってしまいます。
なので、状況に合わせて適切なものを選びたい。
ぼくが冬キャンプに使っている寝袋は、イスカのニルギリEXというモデルです。
ちょうど1年前に購入し、マイナス10℃の雪中キャンプなども過ごしてきました。
何度か使ってみて良い所も悪い所も見えてきたので、今回はイスカ・ニルギリEXのレビュー行きます!
ニルギリEXは冬キャンプにピッタリ!
値段もサイズも関係ないぜ!という豪傑な方は、ひたすらデカくて高いものを買っておけば間違いないのですが、一般人はそうもいきません。
限りある資源を無駄にしないためにも、自分の用途に最適なものを選ぶ必要があります。
けど、これが難しいんですよね~。
寝袋は、暖かくても大きすぎると荷物になるし、かと言ってコンパクトさを優先しすぎるとスペック不足で寒くて大変。
高性能な雪山用だとかなりのお値段になってしまいます。
そこでニルギリEX!
性能は上位モデルそのままに、『ほんのちょっとだけ重く(200gくらい)』、『ほんのちょっとだけ撥水性能が弱い(1泊なら問題なし)』だけで、お値段はグッとお安い。(イスカ・エアドライド670比べ)
登山などの極限状態になる訳でないキャンプでの使用なら、まさにうってつけの寝袋です。
コスパの良い【イスカ・ダウンプラスシリーズ】
イスカのダウンシュラフには、以下の3つのラインナップが存在します。
- エアプラス(フラッグシップ)
- エアドライド(ベーシック)
- ダウンプラス(エントリー)
このうちエントリークラスに当たるダウンプラスシリーズは、他2シリーズと比較して、
- 生地がポリエステル
- ダウンが720FP
- 撥水加工の性能
という違いがあり、それによってコストを抑えています。
暖かさ自体は上位モデルと変わりません。
で、この違いが同じ暖かさの上位モデルとどういう差になるかというと、
- 濡れ(結露など)にちょっと弱い
- すこし重い
主にこの2点。
これらの違い、登山ならともかくキャンプで使うぶんには、たいした差ではないと個人的には感じています。
その理由は
撥水性能は、1泊程度なら問題ないから。寝袋表面に結露の発生する雪中キャンプで使用していますが、1晩もたなかった事はありません。
重さは、同じ温度帯の上位モデルと比較して約200g重い程度。背負っちゃえば分かりません。
以上の差で、上位モデルのエアプラス・エアドライドから、金額にして約3万円違ってきます。
そしてこの差は、他寝袋メーカーのナンガやモンベルと比べても同様。
ですので、キャンプで使うなら、イスカ・ダウンプラスシリーズのコスパは抜群なのです。
やはり日本メーカーを選びたい
寝袋には、国内3大メーカーというのが存在します。
- イスカ
- ナンガ
- モンベル
この3社がそうです。
イスカから独立した方がはじめたタケモというメーカーもあります。
海外にもよい寝袋はたくさんありますが、これら3大メーカーが強すぎて、日本ではほとんど普及しないほどです。
むかし一度、ドイターというドイツメーカーの寝袋を購入したことがありますが、なんとなく合わなくて、結局あまり使わないまま手放してしまいました。
やはり、日本人が日本で使うなら、日本メーカーが開発した寝袋がイチバンしっくりくるのかなぁ、なんて思います。
イスカ・ニルギリEX レビュー
ニルギリEXのスペックはこのとおり。
生地 | ポリエステル |
重量 | 1270g |
羽毛量 | 700g(720フィルパワ-) |
使用サイズ | 80(肩幅)×213(全長)cm |
収納サイズ | φ20×34cm |
最低使用温度 | マイナス15℃ |
ニルギリEXは、イスカのダウンプラスシリーズに属する、冬用ダウンシュラフ(寝袋)です。
登山の定番寝袋として有名な同社のエアシリーズと比べ、生地をポリエステルに変更するなどで価格を下げた、コストパフォーマンスに優れたモデルになっています。
安くなっているとはいえ、キャンプで使う程度なら性能に大きな違いはありません。
使用温度
最低使用温度はマイナス15℃。イスカによるとこれは他社で言う限界温度にあたり、快適温度はここから+5~10℃した温度になります。
なので、このニルギリEXの使用温度は
- 【快適温度】マイナス5℃~マイナス10℃
- 【限界温度】マイナス15℃
あたりとなります。
実際に、外気温マイナス10℃・テント内マイナス7℃の雪中キャンプで使用した時は、湯たんぽとカイロ使用で快適に眠ることができました。
個人的な体感だと
・~マイナス5℃:とくに工夫せずとも快適
・~マイナス10℃:服装・カイロ等を工夫して快適
・マイナス10℃以下:シュラフカバー・インナーシュラフ等を追加すれば大丈夫
という感じです。
本州の冬キャンプなら、このくらいの温度帯の寝袋が、いちばん使いやすいんじゃないかな?
サイズ感
収納サイズはφ20×34cm。このくらいだと、コンプレッションバッグで圧縮しなくてもバックパックに普通に入ります。
使用時のサイズ感は、【173センチ/62キロ・標準体形】の自分が、わりとゆったり使えます。
このへんの感じ方は個人差があるので、何とも言えませんけどね。
ナンガの寝袋と比べると全体的にコブシひとつ分くらいタイトになっていますが、そのかわり立体的に作られており、窮屈さは感じません。
自分の所有している【ナンガ・ダウンバッグ450std】【モンベル・バロウバッグ#0】との比較です。
縦も横も身体に沿うような形で無駄なスペースがないから暖かく、かつ窮屈に感じない作りは、さすが寝袋の専業メーカーと感心します。
蓄積されたノウハウが生かされているんでしょうね。
服を4枚以上、またはアウターを着て寝るような状況だと、個人的にすこし窮屈に感じます。
撥水性
イスカのエアシリーズは【超撥水】や【撥水ダウン】。
ニルギリEXをふくむダウンプラスシリーズは【撥水】。
撥水に関しては数値化された規格がないので、両者にどのくらい違いがあるのか分かりませんが、ニルギリEXの【撥水】が下位グレードなのは分かります。
けれど、特に不満は感じません。
水滴はちゃんとコロコロ転がっていくし、すぐに染み込むようなことはありません。
厳冬期の雪中キャンプなど結露が多い状況だと、足元や息のかかる顔周りなどにダウンの濡れが発生する場合もありますが、それでも、保温力低下などの困るような状況になったことはありません。
一泊であれば、ひと晩越せれば良いだけなので多少濡れても問題ないです。
逆にいえば、結露の多い時期に連泊するのであれば、ニルギリEXは向きません。
シュラフカバーで対策するか、もしくは濡れに強い(であろう)エアシリーズや、ナンガのオーロラを選んだ方がいいです。
暖かい
『イスカの寝袋は暖かい』とは聞いていましたが、確かに暖かいです。
というか、デットスペースが少ないので、暖まるのが早い気がします。
とくに冷えやすい足元にダウンが多く配置されているのが特徴で、つらい足先の冷えに効果的。
首元を包むショルダーウォーマーは凹状の独特な形状です。
ドローコードも付いていないので初めは不安でしたが、使ってみると、これが上手い具合に首にフィットするんです。
ボリュームもあり、しっかりと冷気の進入を防いでくれます。
なんと言っても、いちいちコードで絞る必要がないので、ラクで良い!
ジッパー
寝袋で意外と重要なのがジッパー。
ここが噛み噛みだと、どんなに寝袋本体が優れていても使う気がしないものです。
ニルギリEXのジッパーは信頼のYKK製で、とてもスムーズ。
勢いにまかせて乱暴に扱えばさすがに噛みますが、気を付けて使っていれば、ストレスを感じるようなことはありません。
ただ不満がひとつ。
ジッパーを締めた状態だと、寝袋の内側は金具が露出したままなのです。
ジッパーの一番上、ちょうど顔のあたり。
ナンガやモンベルはちゃんと覆ってくれるんですけどね。
なので、顔周りのドローコードを絞ると、ジッパーの金具が頬に触れて冷たいときがあります。
これは欠点だと思う。
けど、ドローコードを絞らないかぎり触れないし、絞って使うような気温のときはバラクラバ(目出し帽)を着用しているので気にならないという、なかなか微妙な問題です。
まとめ
冬用寝袋、ニルギリEXを一年間ほど使ってみましたが、とても良いです。
イスカのダウンプラスシリーズは、日本メーカーらしい高品質でありながら比較的リーズナブル。
なかでもニルギリEXは、サイズ・対応温度・価格のバランスがキャンプ向けに丁度良く、人気のあるモデルです。
リーズナブルなダウンシュラフ(寝袋)と言えば、最近は中国メーカの品質も悪くないらしいですが、どうせ万単位のお金を使うなら、少し頑張って日本メーカー品を買う方が絶対にイイです。
この辺りがリーズナブルでオススメ。
どれも毎年、冬になると売り切れてしまうので、暖かい時期に購入しておくのが確実です。
冬キャンプでは、寝具はもっとも重要なアイテム。
ヘンに妥協せず、予算が許す限りクオリティの高いものを購入するのがオススメです。
ちなみに、冬のキャンプを快適にすごすための重要アイテムNo.1はマット!
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