こんにちは、冬キャンプ大好きのシズワです。
ちなみに冬そのものはキライです。
NEMO(ニーモ)でもっとも暖かい寝袋『ソニックー20』。
下限温度がマイナス29℃と最強クラスのスペックですが、ネット上のレビューは皆無。
今のとこ、ぜんぜん見当たりません。
これでは、気になってもなかなか手を出しずらいのではないでしょうか?
さて、ぼくはこのソニックー20を【2023年・1月】から使っています。
今回は、その使用感などをご紹介する記事となっています。
- 冬用の寝袋を迷っている
- 人と違う寝袋が欲しい
- ニーモの寝袋『ソニック』について知りたい
という人の参考になれば幸いです。
ただ注意点として、所有しているのは旧モデル。
現行モデルとは違っている部分もあると思いますので、その点はご了承ください。
下限温度マイナス29℃!ニーモ【ソニックー20】
ニーモ・イクイップメントはアメリカのアウトドアメーカー。
高性能かつデザイン性が高く、斬新。
そんなギアで人気です。
ソニックー20は、現在ニーモが発売するなかではもっとも暖かい寝袋で、その下限温度はー29℃。
厳冬期用のモデルになります。
完全な主観ですけど、ソニックー20を使った感想は
- 上半身の広さはほどほど
- 下半身はストレッチで快適
- コンプレッション(圧縮)でコンパクト
- 日本メーカーとくらべ大味
- 思ったほど暖かくない
- 所有満足度は最高w
といったところ。
本当にー29℃で耐えられるかは分かりませんが、日本でキャンプするなら十分な性能です。
このソニックー20、スペック上の暖かさはかなりのモノ。
など、日本冬用寝袋界のそうそうたるメンツを超えています。
ただ、実際は同じくらいの暖かさじゃないかな?って気もしています。
どれも使ったことはないので、勝手な想像ですけどね。
ソニックー20はこんな人にオススメ
厳冬期用の寝袋で迷っていて、純粋に『暖かく使いやすい寝袋が欲しい』という人は、モンベル・ナンガ・イスカなどから選んだ方が無難。コスパで選ぶならタケモも良いです。
けれど、
- 変わったギアが好き
- ニーモが好き
- デザインに惚れた!
- 気温-5℃以下で使う
という人は、冬キャンプ用の寝袋として、ソニックー20はオススメです。
テント内の気温が『-5℃以下』になるようなキャンプが多いなら、けっしてオーバースペックでもありません。
ある程度の余裕があって、快適に眠れるでしょう。
対して、気温0℃付近で使うなら完全にオーバースペック。
暑すぎて逆に眠りづらいです。
使用レビュー
まず初めに、所有しているのは旧モデル(レギュラーサイズ)になります。
現行モデルとはダウン量と重さが少し変わっていますが、対応温度は同じ。
旧モデル | 現行モデル | |
重量 | 1.59kg | 1.76kg |
下限温度 | -29℃ | -29℃ |
収納サイズ | 41×22cm | 37×27cm |
中綿 | 800FP撥水加工済ダウン 960g | 800FP撥水加工済ダウン 1060g |
ジッパー | 左 | 左 |
本体の各寸法も同じ。
全長だけは旧モデル203cmに対し、現行モデルは198cm。ですが対応身長が183cmなのは一緒です。
ぼくはソニック以外に3つほどマミー型の寝袋を持っています。
- ナンガ・ダウンバッグ450STD(3シーズン)
- イスカ・ニルギリEX(冬用)
- モンベル・バロウバッグ#0(冬用)
どれも対応温度や中綿が違いますが、いちおう3大メーカーそろっています。
このレビューは、それらと比べたソニックの感想です。
暖かさ
ソニックー20の下限温度はー29℃。
ちょっとややこしいけど、商品名のー20は華氏温度なので、摂氏にするとー29℃となるわけです。
快適温度の記載はありませんが、下限温度から考えるとおそらくー19℃あたりでしょう。
かなり暖かい寝袋です。
800FPのダウンを960gも(現行モデルは1060g)使用していますからね。フカフカですよ。
ただ海外のレビューを見ると、『快適性は高いけど暖かさはそれほどでもない』という意見も目立ちます。
実際ぼくが-7℃くらいで使った感じだと、ニルギリEX(下限温度ー15℃)と比較してより暖かいのは確かですが、『すごく暖かい』ほどではありませんでした。
その感覚とソニックの値段・ダウン量・質から考えて、上でも書いたように、【オーロラライト900DX・ダウンハガーEXP・エアプラス810】あたりと同じくらいの暖かさじゃないかなぁ、と思うのです。
個人差もありますが、寝袋の快適温度ってぬくぬくと『本当に快適』に眠れる基準ではないし、下限温度で試したわけでもないから、ただの想像ですけどね。
たぶん、-19℃だといろいろ工夫しないと寒いと思う。
けれどまぁ、キャンプ場で使う程度ならじゅうぶんな暖かさです。
機能性
撥水ダウン+防水透湿性素材
ソニックの足元には防水透湿性素材が使われています。
テントに触れて濡れやすい部位ですから、とても安心感があります。
ダウンにも撥水加工がされており、全体的に水濡れに強い寝袋です。
ドラフトチューブ
冬用寝袋にはドラフトチューブというものが付いており、ファスナーからの冷気を遮断する役目があります。
ソニックー20にも、ごっついのが付いています。
フッカフカなうえ上下2本あるので、効果はばっちり。
ネックバッフル
寝袋内の暖かい空気が逃げないようにするためのものがネックバッフル。
ここもかなりボリュームがあります。
マジックテープで連結すれば筒状になります。
で、ドローコードで絞ればしっかりと密着し、効果はじゅうぶん。
フード
フード部分は、頭部をすっぽりと覆う形状です。
入るとき意識して頭をズボッと入れる必要がありますが、入ってしまえば包まれ感はすごい。
コードを絞った状態はきれいな円形になり、かなり形が良いです。
これまたフッカフカですよ。
フィット感がとても良く、上手い具合に口まわりだけが出て、それ以外はフワッと包まれる感じ。
冷気の入る隙間ができず、暖かいです。
コードの止め方はちょっと独特で、引いたあと横に倒してロックします。
カッコは良いけど、使いやすいかと聞かれれば正直イマイチ。
個人的にはコードロックで止めるタイプの方が好きだし、やりやすい。
慣れの問題もあるかもしれません。
サーモ・ギル
ニーモの寝袋には『サーモ・ギル』という温度調整機能が付いています。
すんごいカッコイイ名称ですけど、原理は単純。
寝袋表面のファスナーを開けると、その部分のダウンが薄くなって内部の熱が逃げる、って理屈だそうです。
貫通しているわけではないので、残念ながら手は出ません。
で、効果のほどは、正直わかりません。
ただ、-7℃の状況でサーモギルを開けたときは、その部分に若干冷気を感じたので、たぶん効果はあるのでしょう(適当)
こういうのは信じたもん勝ちです。
それよりも、開けると寝袋内部が広くなるのが個人的には嬉しいポイントだったりします。
現行のソニックだと、これが内側にも付いています。
ストレッチ構造
ソニックは、下半身部分が横方向に伸縮します。
それにより膝まわりが自由に動き横向き寝に対応する、ということだそう。
何%伸縮するのかは記載がありませんが、173cm63kgのぼくが胡坐で座れるくらいは伸びます。
ただ手持ちのバロウバッグと比べると、モンベルほどは伸びない印象。
サイズ感
ソニックは全3サイズ。
- ショート:168cmまで
- レギュラー:183cmまで
- ラージ:198cmまで
ぼくは173cmで、レギュラーでちょうどいい。
サイズに関しては、海外レビューだと『暖かさはそこそこだけど内部が広くて快適』という意見が多かった。
その広さに期待して購入を決めたのですが、正直そこまでじゃないです。
下半身は上記のストレッチがあるので良いんですが、上半身の腕や肩まわりは想像より広くない。
ぼくの感覚だと、内部の広さ順位はこんな感じ。
モンベル>ナンガ>ソニック>イスカ
で、サーモ・ギルを開ければ【ソニック≧ナンガ】かな。
収納サイズ
数値だけを見ればかなりデカいし、実物みたらさらにデカいんですが、安心してください。
ソニックの収納袋にはコンプレッション(圧縮機能)が標準装備されています。
圧縮すれば、これが
こうなります。
各寝袋のカタログ上の収納サイズと、ソニックー20を圧縮したときの実寸値はこちら。
ソニックー20(圧縮時) | 41×22cm(30×23cm) |
オーロラライト900DX | 41×21cm |
ダウンハガー800EXP | 40×20cm |
エアプラス810 | 37×21cm |
そのままだとソニックがいちばん大きいですが、圧縮してしまえば問題なし。
ぼくは68リットルのバックパックに入れてキャンプに行ってますよ。
蛇足ですが、こうして収納サイズを見比べると、ソニック-20はやっぱりこれらの寝袋と同クラスだよなぁって思うんですよねぇ。ダウン量も近いし。
保管袋も付属
ダウンの寝袋は、あまり潰さず通気性のよい状態で保管するのが大事。
そのための保管袋も付属で付いてきます。
しかもNEMOのロゴ入りでカッコイイのがね!
ただ、丸まったシベリアンハスキーくらいデカいんだこれが!
けれどまぁ、柔らかいので適当な隙間に突っ込めるから大丈夫。
気になる点
欠点とまでは言わないけれど、使っていて気になる部分もいくつかあります。
ネックバッフルのカバーが邪魔
上下のネックバッフルを連結したとき、マジックテープのカバーがちょうど肩のあたりに当たって邪魔です。
避けても、寝返りの際にまた当たったりしてキリがない。
このカバーが無駄にしっかりしてるから、上着越しでもけっこう気になります。
でも気づくと毎回ちゃんと寝てるから、問題ないって言えば問題ないんですが・・・。
ファスナーの動きがよくない
日本メーカーとくらべ、ファスナーが動かしづらいです。
とくに中からの開け閉めはスムーズにできません。
かと言って噛むわけではないので、単に動きが悪いだけなのか?
地味にストレスなので、今度シリコンスプレーでも使ってみようと思っています。
意味のないポケット
肩口の部分に、小さなポケットが付いています。
スマホなどを入れて冷えから守るためのものらしいのですが、小さすぎて入れられません。
最近の機種は大画面化してきているので、なおさらです。
ぼくのスマホはモトローラのedge20で、ディスプレイは6.7インチ。
無理をすればなんとか入るんですが、そもそも、こんなとこに大きく重く硬いものを入れるのは、はっきり言って安眠の邪魔でした。
ぼくの使い道は、いまのとこカメラのバッテリーを入れるくらいですかね。
ただ、もしあなたがコンタクトレンズをお使いならば、夜間の凍結防止として、非常に有効な収納場所となるでしょう!
あとは思いつきません。
まとめ~面白い寝袋です
あきらかに他とは一線を画すデザイン性と、ユニークな機能性。
ソニックは、良くも悪くもニーモらしいギアでした。
暖かさに関しても、日本でキャンプに使うなら当然問題なし。
場所によっては、オーバースペック気味ですらあります。
個人的には、1ランク下の『ソニック0』でも良いと思います。
ぼくが旧モデルのー20にしたのは、単純に在庫値下げで安かったから。
現行のソニック0よりもずっと安くなっていたので「これは!」と、つい反射的にポチリました。
以前からこのクラスの寝袋は使ってみたいと思いリサーチしていたので、衝動買いではありませんよ、決して。
今回レビューしたのは旧モデルですが、スペックを見る限り現行モデルも大きな差はないようです。
ただ、ダウン量と重さが若干増えてるけど下限温度は同じなのがちょっと謎ではありますけれど。
冬用寝袋で悩んでいるなら、正直国内メーカーにしたほうが不満は出ないと思いますが、
「ニーモが好き」
「人と違うギアがほしい」
「デザインが気に入った」
という紳士にはぜひソニックをオススメしたい。
所有の満足度は文句なく最高ランク!
性能的には1ランク下のソニック0でじゅうぶん。こちらの方が取り回しは良いはず。
単純に暖かい寝袋が欲しいだけなら日本メーカーから選ぶのが無難。
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